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薬局とヨガ勉強会の開催報告です。

2018年07月13日 | コラム

去る6月30日、横浜にて
薬剤師でありヨガインストラクターとしても活動をされています
篠崎裕司先生にお越しいただきまして、薬局とヨガ 勉強会を開催いたしました。
以下、篠崎先生による開催報告となります。

日時:2018年6月30日 13:30~16:10

場所:Yoga Flat

座長:篠崎裕司(あけぼの薬局薬剤師、ヨガインストラクター) (記)

参加者:新隆文(Open Medical代表取締役会長)、宇田川真理子(薬剤師)、岡部朋子(日本ヨガメディカル協会理事)、橋本百合(薬剤師)、半田あき(看護師)、牧野あずみ(薬剤師、ヨガインストラクター) (敬称略、五十音順)

【発表内容】

薬剤師、看護師、ヨガインストラクター、経営コンサルタントといった方々の参加により、「薬局とヨガ」の勉強会は無事終了いたしました。参加者全員から活発な意見が飛び交い、今後の薬局でのヨガ普及に希望と可能性を感じました。以下、その内容をご報告いたします。

昨今、薬局には従来の調剤業務に加え、健康サポート機能をもつことが国から求められています。そのような中で、あけぼの薬局では2年ほど前から、「精神疾患を持つ患者さんの治療の補完を目的としたヨガクラス」と「緩和ケアを目的とした乳がん患者さん向けのヨガクラス」を開催してきました。いずれのクラスも通常のヨガクラスへの参加には抵抗がある方が多く、ご参加いただいた皆さんからはリラックスできたなどQOL改善につながる感想を頂いています。しかし、開催している側からの感想として、「薬剤師や薬局スタッフが関わる必要性(例えば、認定薬剤師がその認定領域のヨガに関わることによりメリットがあるかもしれない)」や「薬局でヨガクラスを開催する意義」といった部分が不明瞭であり、今後しっかりと検討していく必要があると感じています。

一方、これまで保険適応の範囲内で事業を行ってきた薬局ですが、これから到来する厳しい状況を乗り切るためには経済産業省が推進するヘルスケアアクションプランを参考にし、保険適応外サービスに手を広げることも必要かもしれません。その場合に、ヨガは安全・安価に提供できるよいツールとなり得るのではないか、その際のターゲットとしては生活習慣病、女性のヘルスケア、子育て中の母親などはどうかという意見が挙げられました。

最後に、現時点では多くの薬局で今すぐにヨガクラスを開催することには抵抗があると思います。そのような場合には、まずは投薬時にリラックスできる呼吸法のアドバイスをしたり、待合でもできる簡単なヨガポーズを紹介したヨガメディカル協会のカードを薬局内に貼り、その内容を投薬時に紹介みるなど、ちょっとした活動から始めてみるとよいのではないでしょうか。そして、このような小さな取り組みがのちにヨガクラス開催へとつながり、薬局利用者や地域住民の疾病予防に役立ち、場合によっては患者さんの減薬にもつながればうれしい限りであることを参加者で共有いたしました。今後このようなことが実現できるよう、継続してより具体的な話を進めていくことを約束し、勉強会を終了いたしました。

アメリカレストンで開催された 【ヨガセラピーシンポジウム】

2018年06月30日 | コラム

当協会の一般会員であり、グリーフケアとヨガ勉強会では座長を務めてくださいました
杉島小百合先生より、アメリカで行われましたSYTAR2018の感想をお寄せいただきましたので
ここにご紹介させていただきます。

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アメリカレストンで開催された
【ヨガセラピーシンポジウム】
この素晴らしいカンファレンスに参加させて頂き言葉の壁を越えて学べた事、刺激を与えてもらえた事、考えさせてもらえた事…
世界中のセラピストたちのあたたかさ優しさに触れこれからの人生に光をもたらされた瞬間…
自分がこれからどうあるべきか身の引き締まる思いと やはり生きている間は勉強!学ぶことが誰かに寄り添う事の責任なのだと痛感して帰ってきました。
全ての流派がひとつになる瞬間は大きな拍手の音が響き渡りました!
セラピストたちは、病と闘う人に寄り添いたくさんの人達を癒しています。
様々な研究のもとそれぞれの方法で。
私が受けたセッションは、
ガン治療におけるヨガの利用法
重病なクライアント様にとってのヨガという命綱
薬としてのメタファー
痛みの緩和と健康のためのヨガ
シンプルでわかりやすいセラピー
マインドフルヨガセラピー
などなど。
他にも様々な研究成果や実践の方向、興味深いもので溢れていました。
初日のプロフェッショナル達の話の中で
患者さんはもちろん、そのご家族 ケアギバーみんなが傷つきトラウマを抱えている。だからこそファミリークラスが必要である!
強く頷くところだった!
第2の患者と言われる家族
そこを抜いては進まない。
私がこれから活動する上でもっとも大切にしたいところ。
患者さんに寄り添う
ご家族に寄り添う
シンプルであたたかい
それがセラピーの1番大切なところ
もちろん知識の上に成り立つもの
だから生きている間はずっと学ばなければならない
寄り添い生きていく
セラピストとして
もちろんフィットネスを通じて心と体の健康のための活動とともに
大きな柱が見えています!
見ているだけではダメだから
一歩一歩
またカンファレンスについてお話出来ればと思います🙏
(杉島小百合)

国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が公表されました。

2018年06月27日 | コラム

2018年6月18日(月)ジュネーブ時間12時(日本時間18日19時)
世界保健機関(WHO)が、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)を公表しました。

そして今回、現代医学の病名の他に「第26章:伝統医学の病態モジュール1(仮訳)」が新たに追加されることになりました。

28年ぶりとなる今改訂では、追加されるのは日本・中国・韓国で行われている伝統医学の病名に限局されてはいますが、世界の四大伝統医学(中東のユナニ医学・東アジアの中国伝統医学・チベットのチベット医学・そして南アジアのアーユルヴェーダ)には共通している点が多数あります。 

ともすれば単なる言い伝えと言われてしまう伝統医学が、実践・研究を通しエビデンスを構築していくことで、医療現場での共通言語や常識に変化するという現実は、ある意味で私たちにも光明をもたらしてくれるも
のではないでしょうか。

症例というと体温が感じられず違和感を感じるかもしれませんが、ひとつひとつの出会いや共有した時間をデータとして積み重ねていくことで、できていく道があります。

一人では諦めたくなってしまうそんな活動も、同じ思いを持つ仲間が持ち寄ることで、ゆっくりではあるかもしれませんが確実に前進していくことができるでしょう。

身近な方への小さな活動からでももちろん大歓迎です。皆様の活動報告をお待ちしております。
活動報告はこちらから

(松原 昌代)

ヨガセラピーシンポジウムレポート2018

2018年06月21日 | 新着情報

本年もシンポジウム・ヨガセラピーアンドリサーチが開催されました。
現地からのレポートは「メディカルヨガ情報」でご覧いただけます。

2019年は6月13日-16日、カリフォルニア、ニューポートビーチ マリオットホテルでの開催です。
2019年1月ごろに申し込みやホテル手配が始まります。
協会のウェブサイトやメールニュースにてご案内いたします。

SYTAR 2018【ヨガセラピーシンポジウム現地レポート】⑬

2018年06月19日 | 協会報告

多発性硬化症の患者さんの症状は一人として同じ人はいません。
同じでないからこそ、ヨガセラピストが対応できる領域が幅広い、これは他の疾病にも言えることです。

主要な神経が何らかの原因で損傷を受けているために起こる疾病です。
患者さんの多くが、疲れを訴え、神経と体の各部位のコミュニケーションがうまくいかないために、歩行困難やバランス感覚の低下をもたらします。また、空間認識や、温度(暑い、寒い)に敏感になります。

多発性硬化症の方向けのクラスは、体の重みを感じることから始めます。
動かす(Do)ことが大切ではありません。いる(Be)ことが大切だから、
重い、その自然な重みを感じることをクラスのテーマに持ってきます。
「足をあげましょう」ではなく「ずっしりと重力に引っ張られるその自然な重みを呼吸と共に感じましょう」という声がけとなります。

疲れたら、後はずっと仰向けになって休んでいても良いのです。
ポーズをとることができなくても「ここにいることを感じることはできる」
まさにそれがヨガセラピーの原点です。特別な技術ではありません。
日本では温故知新と言いますが、こちらでは Back to the Future と表現していました。

動かしにくい手足をストラップでサポートする方法や、椅子やブロックを使って支えながらそれぞれの状態で楽しめる姿勢を探ります。