HOME > メディカルヨガ情報

【報告】パーキンソン病とヨガ勉強会

2月2日、東京慈恵会医科大学 内科学講座 神経内科 助教
葛飾医療センター 神経内科 余郷 麻希子先生 と、Studio Full Moon の望月聡子先生をお招きし、パーキンソン病とヨガの勉強会を行いました。

パーキンソン病について、余郷先生から説明をいただきました。

運動の微調整を行う脳の部位の機能が低下する原因不明の難病ですが、薬が効きやすいのと、早期発見できればリハビリの有効性が高いと言われています。

バランスの改善や、筋力・可動域のアップはQOLの向上につながると言われ、これまでも太極拳や、アルゼンチンタンゴの有効性が研究されてきています。

介護保険を使って、デイサービスに行くという選択肢もある中、それに抵抗がある若年性パーキンソン病の方もいるとのこと、やはり多いのは、病院の中でリハビリがてら何かできたらいい、という声だとのことでした。

8年間、パーキンソン病の患者さん向けのクラスを続けてこられた望月聡子さんから、実際のクラスの様子や患者さんに対して気をつけていることを教えていただきました。

患者さんに接するときに一番大切にされていることは「聴く」ということだという望月先生、その方の今日の状態をお尋ねしながらも、プログラムの内容は変えないとのことです。変えないことで、患者さんが今日の調子を自ら気づくことを狙いとしています。

先生曰く、飴と鞭を使い分けています、とのことでしたが、先生のところに行くと元気になる、と今でも患者さん向けのクラスはなくてはならないものになっているようでした。

パーキンソン病の患者さんの運動リスクは、起立性低血圧、急な方向転換ができないこと、バランスを取るのが難しいこと、転倒などがあります。

起立性低血圧に関しては、寝た状態から立ち上がるときに、手足の筋肉を動かし、血流を起こしてから起き上がることでかなり症状を緩和できるとのことでした。特に足の筋肉は大きいので、動かすことで静脈の血流が上昇します。

では、実際の患者さんが具体的にどのようなことができ、どのようなことに難しさを感じるのかを、運動強度が著しく低いマインドフルネスヨガセラピーのプログラムで体験してみました。

やはりポーズの中には、転倒の危険などがあるものもありましたが、それをどのようにアレンジしたら良いだろうか、という議論が大変参考になりました。例えば、マットの上を歩く瞑想では、歩幅が小さいままであることと、方向転換の難しさから、できるだけ広い場所で方向転換をしなくて良いようにし、、歩幅の目印になるような床へのテープなどを貼って行う方が良いだろう、という意見が出ました。

また、手足の感覚がなくなる患者さんを、望月先生はあえて触って差し上げるとのことでした。ヨガセラピーでは、必要ない限りハンド・アジャストは行わない、触るときは配慮をした上で、という安全対策がある一方で、アルゼンチンタンゴが良いと言われるのも、触れ合いがあるからだ、ということを知り、つくづくヨガセラピーはケースバイケースだということを実感しました。

海外では、パーキンソン病や多発性硬化症の患者さん向けのヨガの指導書が販売されています。異なるコンディションに応じたポーズのバリエーションがイラスト入りでわかりやすく解説されています。

今回の勉強会を通じ、特定のプログラムが全てのパーキンソン病の方に当てはまる、というものがあるのではなく、余郷先生が冒頭のプレゼンテーションでおっしゃっていた、患者さんに寄り添える専門的な指導者を育成する、ということに尽きると感じました。

協会では、パーキンソン病の方のリスクに配慮したプログラムを作成し、それを患者さんに対し最適化して指導していける人材の育成に取り組んでいきたいと考えています。そのためにも、パーキンソン病という病気を理解することはとても重要であり、大変勉強になりました。

(文責:岡部 朋子)


開催報告~町田まごころクリニックデイケアでのMYT研修~

2019年01月22日 | 協会外主催 講習等

町田市にあります精神科「まごころクリニック」にて、デイケアスタッフの皆様にお集まりいただき「心身の不調を抱えた方向けのヨガプログラム~MYT(マインドフルネスヨガセラピー)プログラム研修~」を行ってまいりました。
職場の雰囲気が大変良く、デイケアがお休みの日にスタッフ全員でご受講くださるとのこと、当日は残念ながら1名のみインフルエンザで欠席されましたが、最初から最後まで深い信頼関係が伺える 温かい時間となりました。
以下、レポートとなります。(※クリニックさんの許可をいただき、画像と開催報告を掲載しています。)

◆開催日:1月14日(月・祝)

◆研修時間:9時~16時30分ごろ終了(実質7時間)

◆参加人数:9名

◆講師:MYTプログラム講師 石井及子

【 最初の自己紹介で多かった内容】

・体が硬いので不安
・リラックスしたい
・自分がリラックスできたら人にも伝えたい
・マインドフルネスに興味がある
・生活の中で活かせるリラクセーションのヒントが欲しい
などなど

【 研修内容 】

・MYTプログラム指導者養成講座テキストを使用
・75分のクラスを実際に受けていただいてから質疑応答とテキストを用いた座学
・午後はクラス内容の実践、ロールプレイングで全て網羅。

【 受講されたスタッフの方々の感想 】

・ヨガクラスを受ける前と後で体に変化があった。
・クラス前には頭痛がしていたのが、クラス終了後には治っていた。
・体が硬くても出来るポーズばかりで、患者さんにもできそうだと思った。
・受け身でいることの心地良さ。言われるがままに動けばよい受け身が良かった
・体が硬いとできないと思っていたヨガだが、本来は思考を止めることがヨガであり、つまりマインドフルネスそのものであると知ることができて腑に落ちた。
・価値のある時間を過ごせた。
・ヨガはとても心地よくて、患者さんにも是非やってもらいたいが
実際に自分が伝える側になると声かけ、ポーズ説明などがとても難しいと感じた

【 講師の感想 】


体が硬くても、運動の習慣がなくても、簡単でにできて心地良さを感じられるのがメディカルヨガであること、そして柔軟性など関係なく、マインドフルネスな状態になっていただくことが、いかに大切かを知っていただけたことが嬉しいです。ヨガをやると心身に良いということはわかったものの、実際に患者さんにクラスを行うとしたら、インストラクションの部分で戸惑いや難しさを実感されるかもしれません。研修後も継続してフォローアップさせていただければと思います。

クラス体験中。自分の内面を観察しながら、ゆっくり丁寧に動いていきます。
歩く瞑想
実際に患者さんにお伝えする練習。
伝え方、説明、言葉の選び方が難しいとの感想が多く出ました。

心身の不調を抱えた方向けのヨガプログラム「マインドフルネスヨガセラピープログラム(MYTプログラム)」の医療者向け研修を下記の通りで行っております。

① MYTプログラム 体験研修 2時間

② MYTプログラム 実践研修 6時間

③ MYTプログラム体験+実践研修 7時間

詳細に関するご質問やお申し込みは、お問い合わせより「MYTプログラム研修の件」というタイトルでご連絡ください。上記の研修時間以外でも、ご相談に応じますのでお気軽にご連絡ください。

グリーフケアをサポートするヨガへの想い

2019年01月21日 | その他

当協会会員、グリーフケアサポートヨガリーダーでありグリーフケアアドバイザー の杉島小百合先生よりご寄稿いただいた記事です。
同じような経験をされた方の為、何かお役に立てることがあればと、
小百合先生ご自身が経験された苦悩と、その経験からの気づき、寄り添う人はどうあるべきなのかを、実体験と共にあるがままを書き綴ってくださいました。
一人でも多くの方にこの記事を通じて、グリーフケアというものを知っていただき、大切な人を失った方が、社会的弱者にならず済むような、そんな配慮ができる優しい社会になっていくことを祈ります。

===================================================

私の夫は、埼玉医科大学国際医療センターの一室で2016年3月29日永眠しました。

その瞬間夫と作ってきた人生が崩れ去ってしまったような感覚でした。
これからもそのまま続いていくと思っていた二人の人生が無くなったのです。絶望的でした。

深い悲しみの中、何が起きているのか、愛する人がいなくなったのに何故自分は生きているのか、生きている事に何の意味があるのか、これからどうなってしまうのか…。
不安と苦しみにがんじがらめにされていました。

小さな音にも怯えるような極度の緊張状態になり、胸は痛み呼吸も苦しく
何を食べても味は無く、眠ることも出来ず、ただ ただ涙が溢れる。人の目も言葉も外に出るのも窓を開けることさえも怖くなってしまったり…。

こうしたことは、大切な人を失くした多くの方が経験されているのではないでしょうか。

先日、日本ヨガメディカル協会のメディカルサポーターにご就任されました、埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授 大西秀樹先生の著書「遺族外来―大切な人を失っても」を拝読し
2018年12月8日茨城県いのちの電話記念講座を拝聴しました。

『愛する人を失う事は人生最大のストレスであり、人生にとって最も辛い出来事であるという最低限の事柄だけは知っておくべきである』
大西先生の著書に書かれていたこの一節はセラピストの皆様にも是非広めていきたい理解であると思います。
「人生最大のストレス、最も辛い出来事」は人を心身ともに容赦無く苦しめてくるのです。

また同著には遺族に「言ってはいけない」言葉があると記されています。
例えば、“落ち着いた?”や“元気そうね”“がんばってね”など、一見相手を気遣った悪意のない言葉にも、遺族は傷付いてしまうことがあります
私自身、“娘さんやお孫さん達がたくさんいるから(さみしくなくて)よかったね”そう言われるたび、とてもつらい気持ちになりました。
娘や孫が何人いようと、私の夫は彼一人、夫の代わりはいないのです。
そんな風に優しさでかけて頂いた言葉にすら傷ついていましたから、心無い一言を受けてパニックに陥ってしまう事もありました。

大西先生の遺族ケアにおいても、病院でケアしても家に戻った時に周囲の人が発した一言で傷つき今までおこなってきたケアが後退する状況を何度も経験されており、
だからこそ遺族ケアは社会の問題であると実感されているそうです。
「愛する人を亡くした人に対する対応はマナーとして知っておく必要があり、そのために教育は欠かせない」とおっしゃられています。
先生は言葉は有効ではない、しゃべらないのが原則で、言葉より抱きしめたり、一緒に泣いた方がよいとおっしゃっていました。

遺族は深い悲しみの中にいます。
何らかの理由でその悲しみにふたをしてしまうと何年経っていたとしても
そのふたが開いてしまった瞬間からグリーフ(悲嘆)状態に陥るのです。

「悲しみは除くものでも遠ざけるものでもない」
人は成長する力を持っている。死ぬまで成長する。
もう一度生きていけるように、遺族はもがき闘い成長していくのです。
そして私自身もまだその中にいます。

夫のいない絶望感を紛らわすように過活動にもなり、不安定な状態で仕事を入れすぎ心身の不調は自分ではどうにもできなくなっていました。
そんな時、仕事の一つとしてやらねばならなかったヨガのクラスで生徒さん達と共に呼吸をし、それを感じた時、癒されている事に気づきました。言葉ではなくそこに一緒にいて下さった皆さんに癒されている事に気づいたのです。

あんなにも苦しかった呼吸がふんわりと感じました。
参加者の皆さんに心地の良い空間で心地の良い時を過ごして欲しいと思う気持ちが
自分をも落ち着かせ、クラス1つ1つが私にとっても癒しとなっていました。
もちろん、夫を亡くす前も皆さんとのクラスに癒されていました。
ですが、このグリーフ状態の私にまでそれは届いていたのです。
ヨガが治すのではありません。でもその時だけは、がんじがらめになった心身が解放され、“こうでなければ こうしなければいけない”ではなく“ありのままでいい”その場所は私の救いとなりました。

私たちセラピストは、ヨガという手法を用いて
病院でケアされている方も、そうでない方も
安心して呼吸の出来る場所で、緊張して凝り固まった体を緩め
気分転換に体を動かし“何故?どうして?どうすれば…。”に支配されてしまった脳を休めて頂き、慈しみの心でそばにいる事で、遺族に寄り添っていく事が出来るのではないでしょうか。
そしてもう一度、生きていけるように 遺族の社会適応を援助していく事につながっていくのだと思います。

まだまだお伝えしたい事がたくさんあります。
これから共に学び、ご遺族に寄り添って下さる方々が増えて下さるよう心より願っております。

最後までお読みいただきありがとうございました。

グリーフケアサポートヨガリーダー
グリーフケアアドバイザー
                       
杉島 小百合

医療におけるサポートと自立支援

2019年01月18日 | その他

医療現場において、患者さんへのケアやサポートは、どこまでするべきなのでしょう。特にがん患者さんへのサポートは、近年どんどん手厚くなってきているようです。では、そのサポートとは果たして本当の意味で患者さんへのサポートになっているのでしょうか。患者さんを一方的に支えるだけでは本当のサポートにはならないのではと、懸念を示す医師もいます。

例えば、人の手を借りて楽になる。癒しを得る。これは、一見サポートのようではありますが、人に頼まないとできないことです。
これを、仮に自分で自分を楽にできる手段を伝える。癒しを得られる方法を覚えてもらう。に切り替えた場合はどうでしょう。

その患者さんは、ひとりの時でも楽になれたり、癒しを得ることができるのです。誰に頼るわけでもなく、自らそれらができるようになるのです。自分自身でそのような状態を作りだせたとき、人は自信と希望を再び胸に抱くことができるのではないでしょうか。病気になってしまった自分を、もう一度好きになることができるのではないでしょうか。
自分でできることは自分でする。それが人としての尊厳を保つために必要不可欠なことであり、患者さんへの自立支援こそが真のサポートに繋がるのではと思います。


とはいえ、現実では闘病、治療の過程で身体の自由は少なからず奪われます。出来ることも限られてしまいます。そんな時、人は自暴自棄になり自分の足で立とうとすることを諦めてしまうこともあるでしょう。人に頼ることしか考えが及ばなくなる時もあるかと思います。

そんな時こそ、医療スタッフの方々の寄り添いと励ましで患者さんの自立支援をサポートする時なのだと思うのです。

何にでもヨガを結びつけるようですがヨガは、呼吸さえしていればできます。マット一枚のスペースでも、椅子に座ってでも、病棟のベッドの上でもできます。ただ、手のひらを開いたり閉じたりすることを、ゆっくり丁寧に呼吸に合わせて行うだけでも頭の中がスッキリします。余計な緊張が取れます。

慣れ親しんだ病院スタッフの方々から、その方法を教わることができたとしたら、患者さんにとって、どんなに安心でしょう。

ヨガセラピーの効果は、実際に体験していただいた方にしか伝わらないかもしれません。しかし実際に私たちの目の前では幾人もの方々が、いたって単純簡単なことで全身の変化を感じてくださいました。楽になっていただけました。難しいポーズを取ることがヨガなのではありません。本来のヨガとは、呼吸と、ゆっくり丁寧な動きに意識を集中するだけなのです。そしてそれは覚えてしまえば、いつでもどこでも自分一人でできるのです。患者さんのQOLの向上に繋がるのです。

ヨガの効果に科学的根拠を求められますと、残念ながら、まだまだ解明しきれていないことだらけであることは事実です。
エビデンスの少ないヨガではありますが、少しづつ医療者へのヨガ提供の場を設け、実際に体験していただくことで、効果を実感していただき、信用と理解を得て、患者さんへの自立支援、サポートとして寄り添うヨガを医療現場に普及させていくことが、当協会の社会的役割だと思っております。

〈 石井及子〉

心身の不調を抱えた方向けのヨガプログラム「マインドフルネスヨガセラピープログラム(MYTプログラム)」の医療者向け研修を下記の通りで行っております。

① MYTプログラム 体験研修 2時間

② MYTプログラム 実践研修 6時間

③ MYTプログラム体験+実践研修 7時間

詳細に関するご質問やお申し込みは、お問い合わせより「MYTプログラム研修の件」というタイトルでご連絡ください。上記の研修時間以外でも、ご相談に応じますのでお気軽にご連絡ください。

笑顔ヨガ開催報告と出張開催のご案内

2019年01月9日 | 協会外主催 講習等

2018年12月、Chang 三夏先生をお迎えし「笑顔ヨガ」のワークショップを開催しました。

ヨガありきではなく、笑顔ありきというテーマで和やかに始まりました。
とても入りやすかったのは、意外と緊張している顔の筋肉を緩めてから、笑うワークに入ったことです。
大人になるにつれて色々な感情記憶(サンスカーラ)と理性で私たちは自ら笑いを制限してしまっていることは勿体無いことだと気付かされました。
たくさん笑った後に、静かな時間をとると、自分の内面に向かいやすくなります。

協会のヨガの定義である「ヨガとは、自分自身の呼吸や体の動きに意識を向けることを通じ、心を落ち着かせる練習である。」〜中略〜 適度な運動に穏やかな呼吸を合わせることで、自己観察を促し、リラクセーション効果を得ることができる健康法として現代に伝承されている。」にしっかり沿ったかたちで講座を進めてくださった三夏先生の笑顔ヨガの講座は、今後も開催の予定です。

職場で「笑顔」が必要とされる、医療、介護職の皆様、ぜひ次回開催のご案内をお待ちください。

【笑顔ヨガ:医療・介護施設への出張講座】

従業員の皆様の福利厚生にいかがでしょうか。
講師:Chang 三夏 先生
2.5時間の講座 50,000円 + 交通費実費

開催をご希望の方は協会問い合わせフォームより「笑顔ヨガ講師派遣希望」のタイトルにてお問い合わせください。

なお、講師のスケジュール上ご希望に添えない場合もございますのであらかじめご了承ください。