認定ヨガセラピスト紹介 ~菊地 千夏さん~
日本ヨガメディカル協会では、認定ヨガセラピストになられた方に、
その活動を社会に広めていただくため、
任意で活動情報や連絡先の掲載をさせていただいております。
今回、ご紹介させていただきます認定ヨガセラピストは
長野県北八ヶ岳の麓で活動されている菊地千夏 さんです。
以下、 菊地千夏 さんからのメッセージとなります。
ヨガセラピーとの出会い
今まで多くの方から、ヨガは身体がかたい人はできないのでしょう?と言われるたびに「ヨガ=柔軟性」というイメージが定着している…と残念な気持ちになっていました。
周りの人と比べてしまう。身体がかたい自分に劣等感を感じる…。
私自身もヨガをはじめた当初、そのような思いを抱いていました。
『ポーズの完成度と効果は比例しない、気持ちよさと効果は比例する』
ヨガセラピーを学び始めて、私の中にとてもしっくりときた言葉でした。
セラピストとして活動している今でも、私自身がとりたてて身体がやわらかいということはありません。むしろヨガセラピーを続ける中で、身体よりも心の変化の方が大きかったと感じています。10代から悩み続けていたひどい肩こりがなくなったことは嬉しい身体の変化だったのですが、精神面ではクヨクヨと悩むことがなくなり、気持ちの切り替えが早くなったことを実感しています。
がんばり過ぎている人にヨガセラピーで休息の時間を
気持ちを落ち着かせ、心のあり方に良い影響を与えてくれるヨガセラピーは
私にとってがんばらなくてもいい時間です。
走り続ける毎日の中でさらにがんばってヨガをするのではなく、
ヨガセラピーを「休息の時間」と据えていただけるといいなと思います。
ヨガセラピーをしているときに自分を大切にしてみる。
呼吸や身体を通して自分を見つめいたわることは、心身の変化を超えた
なんともいえないあたたかなやさしい時間です。
そして気がつくとなんだかスッキリしている…
それがヨガセラピーの醍醐味であると思っています。
あわただしく成果を求められる時代。そんな世の中だからこそ結果にこだわらずゆっくりとしたプロセスを味わい、地に足のついた自分を持ちたいものです。
ヨガセラピーを通じて自分にやさしくする時間を、誰もが簡単にヨガを楽しめる方法を、そんな環境づくりを今後も続けていきたいと思っています。
私は現在、長野県北八ヶ岳の麓でシニア向けのグループレッスン、リゾートホテルにて朝ヨガや森歩きとヨガを組み合わせたプログラムなどを行っています。
今後は、介護施設に通う方、そこで働くスタッフさんに向けてヨガセラピーを広げていく活動を行っていきたいと思っています。
<お問い合わせ先>
長野県小海町 やさしいヨガ yasashiiyoga.ty@gmail.com
「心をあたためる・電話でシニアヨガ」
一般社団法人 日本ヨガメディカル協会全会員の皆様、講師の皆様へ、
〜シニアヨガを学んだ方も学んでない方もできること〜
感染拡大防止のため、不要不急の外出の自粛を求められていることから、デイサービスなど通所型の介護施設では「通い控え」が起こっているそうです。家族に止められている人もいれば、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も感染を恐れ、居住者の外出を禁止したため、通えなくなった人もいます。来所時には機能訓練とした数時間の運動を行っていた高齢者が、外出や訓練ができなくなっています。
高齢者の方が長期間、家の中でじっと過ごすと身体活動量が減り筋肉が衰えます。血行も悪くなることによるリスクも向上します。1週間安静をすると落ちた体力を回復するためには2週間かかるとされています。1か月安静だと2か月もかかることになります。特に急激に衰えやすいのは下肢の筋肉です。歩きにくさを感じたり、転倒しやすくなってしまうことで、自粛がとかれても以前のように外出したいと思えなくなる可能性があります。
また動かないでいることのリスクは心の健康や認知機能にも及びます。動かないと、食欲も落ちます。話し相手がいないと、認知機能も衰えやすくなります。
動かない生活に慣れてしまうことを防ぐために、ヨガセラピストの一人一人が簡単な行動を始めませんか?
このサイトをご覧になっている皆様のところには、日夜コロナウイルスや、その対策についての情報が流れ込んでくると思います。しかし高齢者の方は、ネットは見ない前提で考えていきましょう。
【できることその1】
電話をかけ、心配していることを伝えましょう。外出ができず、人と会う機会が減ることで最も考えたいのは、私たちの大切な人が感じる孤独感です。孤独を感じた時、自分から誰かに電話をかけることが出来るでしょうか。むしろ、身動きが取れなくさらに孤独感を深めてしまうと思います。
電話はコロナは運ばず、心は届けられる素晴らしい発明品です。親御さんを始め、皆さんが大切に思う高齢者の方に電話をかけましょう!
ポイントがいくつかありますが、ヨガセラピストの方なら勘所を抑えられていると思います。相手の話に耳を傾けること。いきなり運動不足の怖さを伝えるのではなく、まず、相手の状況を聞いてあげることです。
【できることその2】
電話口でできそうなことを聞いて見ましょう。その上で、動かないとお腹が空かないことや、回復に時間がかかることを伝え、自宅でできそうなことをできるだけ具体的に提案して見ましょう。
気分は悪くないか / 歩けるか立ったり座ったりするのが億劫になってきていないか / 体がなまっている実感はないか、などを尋ねた上で、安全のために現在の体力に応じて提案してみましょう。
《シニアヨガにおけるポイントは3つ》
「筋肉を動かして巡りを良くすること」「筋肉が落ちないようにすること」「関節の可動域を保つ」という視点にしぼってみましょう。
(a) 歩ける → 全身運動
(b) 座れる→ 座ったまま足を動かす、座ったまま腕を動かす、座ったまま上体をゆっくり回す、など。
(c) 寝ている方が楽→ 寝たまま足を動かす、その他、寝転んだままできる筋肉の動き。(顔ヨガや手のグーパーなどでも良い)
【できることその3】
心の健康、肺の健康のためにも、日頃の呼吸を意識することが実は大切であることを伝えましょう。
心の健康のためには、ゆっくりと滑らかな呼吸。気管支や肺の健康のためには、腹式呼吸や口すぼめ呼吸、鼻呼吸の方法を電話口で伝え、実際に一緒にやってみて、上手にできていることを褒めましょう。
私の事例で大変恐縮ですが、我が家における具体的な会話の例を個人のコラム(メディカルヨガ)に掲載しています。一人一人、伝えたい想いはそれぞれだと思いますが、ひとつの参考になれば幸いです。
これらのことは、直接的に新型コロナウイルスの予防になるわけではありません。しかし、コロナウイルスが引き起こしている心の疲れや、生活の不活発化。高齢者の方々にはサポートが必要です。
専門的なシニアヨガを学んでいなくてもできることが、ヨガにはたくさんあります。今の自分にできることで、自分を大切にすること。そんなきっかけを、一人一人の大切な人に向けて、電話口でつくってあげてください。
一人一人の行動が、誰かを温かく包み込みます。
一般社団法人 日本ヨガメディカル協会 代表理事
岡部 朋子
子供達の心のケア:WHOからのアドバイス
小さなお子さん、あるいは思春期のお子さんがいらっしゃる保護者の皆さんの中には、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックが発生している中で、急な環境の変化や世の中の物々しい雰囲気によって強いストレスを感じたり、不安定になったお子さんとどう接すれば良いのか、悩んでいらっしゃる方も多いと思います。
そんな保護者の方々のために、WHO(世界保健機関)が全世界の保護者へ向けて、今この状況における子どもとの付き合い方についてアドバイスを発信しています。そのサイトを日本人むけに有志の方で翻訳された情報をご紹介いたします。
(協会外サイト)
WHO 「Healthy Parenting」より
https://covid-19-act.jp/parenting-who/?fbclid=IwAR0vbjJUV1PCKVwpp-PL-Tsdr9rHsaVpqDK6wOgFwIoIFMoclkOd-GCzur0
目次
• 『1対1の時間』
• 『肯定的でいましょう』
• 『新しい日課を作る』
• 『悪い行い』
• 『焦らずにストレスマネジメント』
• 『新型コロナウイルスについて話をする』
先日の記事「新型コロナウイルスの三つの顔」(日本赤十字社)でも述べられていたように、世界中において、心のケアの重要性がますます必要となっています。ぜひ、ご一読いただき、身近な方々への接し方を大切にしてください。
出典元はこちらです。(協会外サイト)
(文責:岡部 朋子)
「新型コロナウイルスの3つの顔」 出典:日本赤十字社
当協会の講座でも多くの時間をとって話し合われるテーマ 「ヨガセラピーは、病気の治癒を直接的な目的として行なわれているわけではありません。 それでは何のために行なうのでしょう。」
このことについて考えるときに、大変参考になる資料をみなさまにご紹介させていただきます。
「新型コロナウィルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~」 出典:日本赤十字社
せっかくの生き延びようとする本能が、せっかくの身を守るために必要な感情が、結果として自 身を苦しい状態にしたり免疫を下げることにつながってしまうとしたらどうでしょう。 あなたにとって本当に怖いこととはなんでしょうか。
そしてあなたができることはなんでしょうか。 自分のためそして周りの人のために、衛生行動をしっかり行なうことを土台とした上で 「自分を支える力」を育てて「気づく力」や「聴く力」につなげていく。 そこにヨガセラピーがお手伝いできることがあるかもしれません。
どんな人も、病気や感染症から影響を受ける側にもなれるし、病気や感染症に影響を与える側に もなれるのです。もちろん私もあなたも。 ( 看護師 松原 昌代)
コロナウイルス危機を乗り越えるために
全会員の皆様へ、
今後、全世界的にメンタルヘルスおよび心理社会的支援を提供して行く体制が必要になっていきます。
私たちが正しい知識を共有し、一人一人の理性と思いやりのある行動を通じ、大切な人を守り、協力してこの危機を乗り越えていけると信じています。
これからの闘いが短距離走ではなく、マラソンであることを理解しましょう。そして、この期間中にメンタルヘルスと心理社会的ウェルビーイング(健康)を管理していくことは、身体の健康を保つことと同様に大切であることをWHOも述べています。私たちヨガセラピストが担える役割を自覚し、公衆衛生に活かしていくために、下記の学びをご提案いたします。
【正しい情報を知る】
「COVID-19アウトブレイク中のメンタルヘルスに関する注意点」(外部サイト)に一度お目通しください。
【実践的な方法を学ぶ】
サイコロジカルファーストエイド(心理的応急処置)を用いて基本的な情緒的および実践的な支援を提供する方法についても、この機会に学びを深めてください。
WHOによるサイコロジカルファーストエイドの手引き(外部サイト)
【アイデアを発信する】
協会の会員に呼びかけをいたしました『在宅ヨガ応援プロジェクト この時期を前向きに乗り越えよう』ですが、ヨガセラピー情報サイトにVideoで「おうちヨガセラピー」としてまとめて掲載をしてあります。
本リンクは健康 design studio 様による「生活者向け コロナと向き合うワンストップ情報サイト」にもご紹介いただきました。
まだまだ、在宅での「気分転換の方法・時間の過ごし方」について有益な情報が必要とされています。ぜひ引き続き、安全にできるリラクセーション、リフレッシュの方法をぜひシェアしてください。この時期を動画でわかりやすく発信するスキルを高める機会として活用しましょう。
協会では引き続き、会員の皆様からの動画のご寄稿をお待ち申し上げております。詳しくはこちらをご覧ください。
【鼻呼吸のメリットを正しく知り、伝えていく】
こちらが大変わかりやすいです。鼻呼吸のメリットについてはみなさまご存知のことと思いますが、この機会に再度ご一読をお願いいたします。
「鼻呼吸は天然のマスク」広がる新型コロナ…専門家に聞く口腔ケア(西日本新聞)
【大切な人を守るために協力しましょう】
今回のコロナウイルスによる不安は、掴み所のない不安と自責をはらんでいます。将来を予測し対策を立てようにも、自分が最大限行なっている対策が果たして最善なのか、という不安が常に付きまといます。一方で、自分がいつ感染源となり、もしかしたら誰かを病ませてしまうのではないか、という自責の念です。
しかし確かにいえることは、私たちが今できること、それは不確かな状況の中、自分だけは大丈夫、と安易に考えることではなく、私たちが正しい知識を共有し、一人一人の理性と思いやりのある行動を通じ、大切な人を守るために協力していくことだと信じています。
日本では実感がわかないかもしれませんが、実際、海外では患者数が急増しています。ドイツのメルケル首相が述べていたように、具体的に私たちができることは、ウイルスの拡散スピードを緩和し、数か月にわたって引き延ばすことで時間を稼ぐことです。
医療の崩壊を食い止めなくてはなりません。また、現在研究者が薬とワクチンの開発に向けて最大の努力をしています。
患者さんの急増を緩やかに抑えるために、皆で協力し、研究者がクスリとワクチンを開発するための時間を稼ぎましょう。患者数が急増しないことで、発症した人ができる限りベストな条件で治療を受けられるような条件を守ることもできます。
このような状況の中、リスクと隣り合わせで私たちの安全や日常を支えるために働いている多くの方々が、どうかきちんと休みを取り、心身を回復できる機会を確保できますようにと願っています。
感染症の最前線に立ち、献身的そして勇敢に感染予防や診療などの業務に日夜従事し医療を支えて下さっている医療関係者の方々、そして交通機関、物流、小売店の方々も国民の不安と対峙しながら私たちの日常を支えてくださっている方々に心からの敬意を表するとともに、私たち協会会員の学びと活動が、ストレスケア、心理社会的ウェルビーイング促進の役割を担えることを願っています。
最後に、会員の皆様やご家族、そして大切な方々がコロナウイルスの脅威から守られますことをお祈り申し上げております。
代表理事 岡部 朋子