メディカルサポーター駒野先生によるブレインフィットネスリトリート
7月15日、16日、田沢湖のホテルにて、
「健やかにすこすためのコーチング」「マインドフルヨガ」のリトリートが開催されます。
当協会のメディカルサポーターであり、脳科学の専門家である岩手医科大学の駒野宏人先生が講師です。
初夏の田沢湖で、幸せづくりの脳科学を学んでみませんか。
お申し込みは上記パンフレットをご覧ください。
(協会へのお問い合わせ、お申し込みは承っておりません。ご了承ください)
シモの悩みとヨガ勉強会報告
シモ、下腹部、骨盤まわりのお悩みはデリケートな部分で人に話しづらく、4 人中 3 人が誰にも相談できず一人で抱 え悩んでいるとも言われています。また、意を決して病院へ行こうとしても、何科を受信すればいいのかわからなかったり、医師を前にすると本当の悩みを伝えられなかったりもします。今回の勉強会ではそんな悩みを解決するために ヨガではどんなことができるのかを、話し合いました。
◆どんな悩みがあるの?どんな症状があるの?
・便秘、下痢、過敏性腸症候群、尿漏れ、頻尿、腹圧性尿失禁、骨盤臓器脱、痔など排泄器官、生殖器官の症状のほか、腹部の術後、産前産後の後遺症、骨盤のずれやゆがみによる症状など
・頻尿は圧倒的に男性に多い
・子宮脱の体験談
・腹部手術後の体験談
◆どんな悩みがあるの?
例えば便失禁を例にあげてみましょう。排便をコントロールできなくなるということは打ちのめされるような思いになるものです。加齢による肛門括約筋の機能低下、自然分娩による肛門の損傷、直腸手術、痔瘻などの手術、神経系の障害、過敏性腸症候群、食生活など、原因は様々で高齢者だけではなく幅広い世代で悩んでいる人たちがいます。五味太郎さんの「みんなうんち」という絵本がありましたが、幼児期はうんちのことを恥ずかしい事ではなく話していたのに、いつから、何となく恥ずかしい話題になったのでしょうか。
シモの悩みはまず、精神的なダメージ、ストレスが多いように思います。
・人に、医師にも家族にさえも相談しづらく、症状を悪化させる事にもなりかねない。
・その事により、行動範囲が狭まり、趣味を諦めてしまったり外出来る機会が減ってしまったりし心の病にもつながりかねない。
・便秘から認知症を引き起こすこと、認知症が進むことがある
・産後床上げ 2 ヶ月というのは守った方が良い。産後の無理は後になって体に不調をもたらす。
・ヨガクラスに参加していたのに、トイレが近い事から参加を断念。
◆ヨガができること
(1)心のケア
人間誰しも多かれ少なかれ悩みや痛みを抱えています。
生きているからこそ、悩み苦しむということ、今、呼吸をしているだけで大丈夫なんだよという安心感、ヨガを実践するのにアーサナ以上に大切なことではないでしょうか。
・ヨガの八支則、「非暴力」は自分の体に対して心に対してもいえることである。
・今ここにある、今この状態が自分である、ということを素直に受け止める事、すべてを包み込みその自分を愛してあげること。
・人間の体は世界一の薬局である
(2)呼吸法(プラーナヤーマ)
深呼吸するだけでも心が落ち着き、心が少し軽くなるものです。悩んでいる時にもれるため息をつくという事も本能的に心を軽くしているのかもしれません。ヨガでは多くの呼吸法があり実践することでさらに心と体のケアができます。
・片鼻呼吸(ナディショダーナ)は自律神経のバランスも整い、リラックス効果があります。
・カパラバディやバストリカのように内臓機能を活性化させ腹横筋、横隔膜、骨盤底筋群などの筋肉を鍛える呼吸法もあります。
・カパラバディは便秘解消にも効く
(3)ヨガのポーズ(アーサナ)
骨盤まわりのバランスを整え、内臓を支えている筋肉を鍛えることは症状緩和にとても役立ちます。特に骨盤底筋群を鍛えるポーズはシモの悩みトラブルの解消になります。骨盤底筋群と検索してみると多くの情報が得られます。鍛えてアンチエイジング、強化して尿漏れ防止、骨盤底筋が目覚める子宮ヨガ、など。
実際に骨盤底筋群を動かしてみましょう。
・おしっこを我慢する感じ
・肛門や膣から水を吸い上げる感じ
色んな表現があると思います。骨盤底筋群だけを動かすのは難しく腹横筋などのインナーマッスルや太ももお尻のアウターマッスルと連動して動いています。この部分を使うヨガのアーサナを考えてみましょう。ケーゲル体操という骨盤底筋体操も多くのところで紹介されてます。
・橋のポーズ
・弓のポーズ
・バッタのポーズ
・キャット & カウ
・ムーラバンダ
・お尻歩き
などなど バンダとは、ロックする、締める、縛るといった意味があり、氣、プラーナの流れを外に漏れないように内側で締め つけ閉じ込め体内で巡らせる働きがあります。三つの代表的バンダ、ムーラバンダ 、ウディヤナバンダ、ジャランダ ラバンダのムーラバンダはちょうど骨盤底に位置します。
◆骨盤底筋群とは
骨盤底筋(こつばんていきん)は、骨盤底を構成する深会陰横筋、尿道括約筋、肛門挙筋、 尾骨筋の 4 つの筋の総称のことで骨盤の底にあり、膀胱や尿道、子宮、直腸などのお腹の 臓器をハンモック状に下からしっかりと支えています。また尿道や膣、肛門 を引き締め る役割をも果たしています。20 歳代の女性で5~9cmの厚みがありますが年齢とともに 衰えていくと様々な症状を引き起こす原因になります。
家族や悩まれている方向けのクラス開催
「便秘、下痢、過敏性腸症候群、尿漏れ、頻尿、腹圧性尿失禁、骨盤臓器脱(産後や更年期の子宮脱)、痔など排泄器官、 生殖器官の症状のほか、腹部の術後、産前産後の後遺症、骨盤のずれやゆがみによる症状」にまつわる臨床情報の収集
ヨガセラピストの本棚: みんなのZEN (BRUTUS /マガジンハウス)
「「ヨガ」と「禅」の違いって何ですか?」
もしもこんな質問をされたら、皆さんは何と答えますか?
日本人の私たちには、さほど違和感もなく昔から知っているような気がする「禅」の世界。
でも実際に、「禅とは何?」と問われると、答えらえる人はほとんどいないのではないでしょうか。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズが「禅」を実践していたという話は有名な話ですね。
ジャズピアニストのビル・エヴァンスも「禅」に深く傾倒していたと言います。
映画監督のジョージ・ルーカスに至っては、禅の世界を映画に投影しています。
あの有名な映画「スター・ウォーズ」シリーズです。
マスター・ヨーダはかなりの禅の達人と思われます。
数年前から海外で静かなブームとなり注目を浴び続けている「禅」。
その「禅」が雑誌「BRUTUS」で特集されました。
タイトルはずばり「みんなの禅」
最近よく耳にする「禅」というものを実際にやってみましたよというレポから始まり
「禅」と「マインドフルネス」の境界線について語られていたり
デザインに見る「禅」や身近にある「禅」について触れてみたり
さらには禅そのものの歴史を掘り下げてみたり、アメリカの「禅」のことも書かれています。
ヨガが日常にちりばめられているように、「禅」もまた、日常であり哲学であり心の在り方であり生き様そのものなのです。
ヨガ、禅、瞑想、メディテーション、マインドフルネス
茶道、華道、武道、太極拳
ウォーキング、整理整頓、料理、編み物、サーフィンなどなど…。
自分にとって、それがイライラ、ザワザワ、モヤモヤをひとやすみさせてくれるなら、
なんでも「禅」になるのです。全てが「ヨガ」になるのです。
私事ではありますが・・・、幼少期によく見ていたテレビ漫画「一休さん」のお約束のあのセリフ。
子供の頃は何の気なく真似て言ったりしていましたが、今思えば大変深い言葉だったんですね。
大人になった今、私の座右の銘でもあります。
「あわてないあわてない。ひとやすみひとやすみ。」
脳を休めること、思考を止めることが、どれだけ心の安定を生み、素晴らしい閃きに繋がるのか。
身を以て知るのに40年かかりました。
ちなみにアニメ「一休さん」についても、こちらの雑誌には書かれています。
ヨガセラピストとして知っておくべき「禅」の世界。
是非、ご一読ください。
(文責:石井及子)
ヨガセラピスト(各種分科会所属)認定資格取得について
♢資格名
一般社団法人 日本ヨガメディカル協会認定 ヨガセラピスト(各種分科会所属)
♢資格認定条件
全カリキュラムを修了し、正会員登録手続きを行うこと。
♢受講条件
協会の理念に賛同し、ヨガセラピーの健全な普及に努める意欲と責任がある方。
ヨガの経験は問いません。
♢カリキュラム
各講座の詳細は「勉強会・講座のご案内」をご覧下さい。
♢受講期限
最初に受講した講座修了日から10年間で全カリキュラムを修了すること。
♢分科会への所属について
こちらをご覧ください。
【お詫び:訂正】ルナワークス他提携講座受講の項目は認定要件から外されました。
♢課題とレポート内容
下記、1. 2. のいずれかに取り組み、レポートを提出する
1 医療や介護の現場でのヨガクラスの実践
2. 地域コミュニティのセルフメディケーションを支えるクラスを実施
【課題の狙い】
院内でや地域社会でヨガ企画を開催することの困難さを実感し、その環境下で工夫し魅力のある企画を提案する力を培う。
医療の現場でメディカルヨガを実用化していくために、ヨガに理解のある仲間を増やす必要性、一般社会にヨガに対する理解を求めていく必要性があることを理解する。
【課題に追加されました】
分科会あるいは症例別メディカルヨガ実践講座における事例(提案)発表
分科会への参加、事例発表を通じ
具体的な医療現場等への導入など
実践力を高めることに重きを置きたいと考えております。
♢審査について(認定プロセス)
チェックリスト、申請書、課題を提出いただき、協会で確認手続きをいたします。
全てを満たしている場合は、申請より2ヶ月以内にご連絡いたしますが、不備がある場合は、協会よりご連絡をいたします。その場合、認定には数ヶ月かかる場合があります。余裕を持ってご申請ください。
ヨガセラピストの本棚:感じてわかる!セラピストのための解剖生理
「感じてわかる!セラピストのための解剖生理」 野見山文宏 先生
ヨガセラピストにとって欠かせない学びの中に「解剖学」「生理学」があります。恐らく皆さんも、その類の専門的な本をいくつか持ってらっしゃることでしょう。TTなどの教科書として購入したものだったり、そしてそれにはかつて理科室で見たような骨格模型そのものが載っていたりする。起始や停止、屈曲に伸展、その専門書を丸暗記しては、ヨガのポーズのその皮膚の下でなんという筋肉がどんな動きをしているのか、透かして見えるくらい学ばれたかと思います。
でも、筋肉のことや呼吸の仕組みを覚えたとしても、実際に目の前のクライアントさんが「足が痺れるんです」とおっしゃった場合、皆さんは対処できるでしょうか。足の筋肉は…ハムストリングと腓腹筋だから、そこを伸ばして血行を良くしたらいいのかしら。なんて思いがちかもしれません。でも、実はその原因が他の部位で起きている可能性も少なくないのです。
こんな時、野見山文宏先生は「ズームアウト」の必要性を説かれます。一歩引いて、全体を見渡すとその原因が見えてくる。足の痺れは、お尻の筋肉が関係していたなどなど…。
そしてまた、野見山先生は「ズームイン」の大切さも教えてくださいます。自分の体を良く知ること、腕とはどこから始まっているのか、足はどこからが足なのか。認知を改め、意識を正しく塗り替えることで体の使い方が変わるとおっしゃいます。
引いたり寄ったりしながら、野見山先生は身体全体の解釈を、身近な日常よく目にするものに例えたり、自然に例えたり、壮大な宇宙に例えたりと、様々な視野を持って解りやすく伝えてくださいます。
鍼灸師でありヨギーであり現代医学と東洋医学の両方の知識をお持ちの先生は、この本についてご自身でこう記されています。「この本では、私たちが感じている ”心や魂を併せ持ち、変化し続けている存在としてのカラダ” を解き明かす為に、解剖生理という一方向からの視点だけでなく、CTスキャンのように心理学やシステム論や東洋医学・さらにはそれらの主体的体験など、多方面からの視点でカラダを見つつ、それを同じ文脈で統合することを試みています。」
そしてその内容はとても実用的で、実際に生徒さんにお伝えしやすく必要とされるものばかりです。
実をいうと、この記事を書いています私自身が、この本で得た知識で沢山のクライアントさんたちに楽になっていただけました。様々なところで学び続けてきましたが、今使っている知識のほとんどが、6年ほど前に買ったこの本から得たものなのです。
野見山先生のワークショップは「感じてわかる!!解剖生理」と言います。
それはこの1冊を読めば誰もが十分に納得するはずです。
クライアントさんの身体の悩みを楽にしてあげたいという方、そしてまだこの本を読んだことのないセラピストの方がいらっしゃるなら、すぐにでも読まれることをお勧めします。身体の理解が深まることで、私たちセラピスト側のインストラクションにも一層深みが増すことでしょう。
(文責:石井及子)