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ヨガの実践は、乳がん女性の治療に関連する副作用や生活の質を向上させることができるか? 系統的レビューとメタ解析

2017年06月12日

Review article

Pan Y, et al. Asia Pac J Clin Oncol. 2017.

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抜粋

目的:補完代替療法としてのヨガが、乳がん患者の健康や治療に関連する副作用の増強と関連しているかどうかを判断する。この系統的レビューは、ヨガの実践が乳がん罹患女性のために身体的および心理的に測定可能な利益を提供するかどうかを調べた。

方法:2013年6月にPubMed、EMBASEおよびコクランライブラリーを使って無作為化比較試験(RCT)を検索した。Cochrane Handbook 5.2により試験の質を評価し、Stataソフトウェアバージョン10.0を使用してデータを分析した。メタ – 回帰分析およびサブグループ解析も転帰の追加予測因子の同定および不均一性評価のために実施した。

結果:16のRCTに930人が含まれていた。ヨガ群とコントロール群を比較すると、全体的な健康関連生活の質(QOL)、うつ、不安、消化器症状において統計的に有意な差があった。メタ – 回帰分析により、ヨガの練習期間およびコントロール群のタイプにおいて部分的に不均一性が示されたことが明らかになった。サブグループ解析によると、ヨガは3ヶ月以上練習したときにのみ不安に効果が示された。待機リストコントロール群のみが、身体的健康に関するヨガの効果を示した。

結論:現在のエビデンスは、ヨガの実践が乳がんから立ち直る患者のための健康増進、治療関連の副作用を管理するのに有効である可能性を示している。将来の臨床研究において、臨床医は、現在のヨガ実践の効果に関する最良のエビデンスに沿って、患者希望を考慮し意思決定をする必要がある。

© 2015 Wiley Publishing Asia Pty Ltd.

PMID 

25560636 [PubMed – indexed for MEDLINE]

監修:矢形寛医師(埼玉医科大学総合医療センター)翻訳:住谷真理子

成人の慢性疼痛に対する身体活動とエクササイズ(コクランレビューの概要)

2017年06月12日

背景:

慢性疼痛は、一般的に正常な組織が治癒する期間(12週間)を超えて継続する痛みを指す。慢性的な痛みは、障害、不安、うつ、睡眠障害、生活の質(Quality of Life: QOL)の低下、医療費の増加につながる。成人の平均2割が、慢性疼痛に悩まされている。長年、その治療法として、休息や安静などが推奨されてきた。しかし、身体活動やエクササイズは慢性疼痛を軽減するだけでなく、心身の状態や機能においてより幅広い効果をもたらすかもしれない。多様な医療の枠組みの中で、慢性疼痛の様々な症状に対して、身体活動やエクササイズはますます推奨され、実践されている。それゆえ、運動プログラムの有効性や安全性を確立すること、これらの方法が成功するか失敗するかを左右する要因に焦点を当てることが、現段階で重要である。

目的:

成人の慢性疼痛に関するコクランレビュー概要の目的は、以下である。
異なる身体運動やエクササイズの介入による痛みの軽減効果や、身体機能、QOL、医療での実用での有効性を示す。
身体運動やエクササイズに関連する副作用や有害事象のエビデンスを示す。

方法:

ランダム化比較試験を行う為、恣意的に設定した2016年3月21日(CDSR 2016, 第3版)までの更新版レビュー、未完成レビューを追跡した後、コクランライブラリー(CDSR 2016, 第1版)上のコクラン・システマティク・レビュー(CDSR)を検索した。*AMSTAR法を用い、それらのレビューに用いられた方法の質を評価。そして、エビデンスの質をもとに、痛みの症状に関するデータ分析を試み、以下に関するデータを抽出した。(1)自己申告による痛みの重症度(2)身体機能(客観的、主観的に評価)(3)心理的機能(4)QOL(5)定められた介入への順守率(6)医療での実用・参加数(7)副作用(8)死

入手可能なデータが限られた為、運動による介入の直接的な比較や分析はできず、質的なエビデンスの報告となっている。
*AMSTR(A measurement tool to assess reviews、システマティックレビューの方法の質を評価するツール)

主な結果:

37,143人が参加した381件の試験を含む21件のレビューを対象とした。このうち、264件の試験(参加者19,642人)では、慢性疼痛を抱える成人を対象に、エクササイズを行った場合と、行わないまたは最小限行った場合を観察した。いずれも質的分析である。痛みの症状は、リューマチ性関節炎、骨関節炎、線維症、腰痛、間欠性跛行、月経疼痛、機能的頸障害、脊椎傷害、小児マヒ後症候群、膝蓋大腿である。これらのレビューはいずれも「慢性疼痛」「慢性広範痛症」を総称、または特定の条件として評価していない。介入の種類は、有酸素運動、筋力増強運動、柔軟運動、その他様々な動き、体幹やバランスのトレーニング、そしてヨガ、ピラティス、太極拳である。
AMSTARをもとにすると、これらのレビューは高く評価でき、バイアスリスク許容範囲内の試験を扱っていた。しかし、参加者の数の少なさ(ほとんどの試験で50人以下)、介入やフォローアップ期間の短さ(3〜6か月以上はほとんど評価されていない)から、エビデンスの質は低かった。適切ではあるが、エビデンスの質が低く注意をもって解釈する必要のあるレビューの中から結果を蓄積した。

*痛みの重症度:
幾つかのレビューは、エクササイズによる肯定的な結果を示した。3つのレビューのみ、エクササイズによる介入が満足な変化をもたらさなかったとしている。しかし、介入やフォローアップを通して、結果に一貫性がなかった。自己申告による痛みの変化の分類では、エクササイズは一貫性のある結果をもたらさなかった。

*身体機能:
これは最も結果が出た分類である。14件のレビューが、介入の結果、身体機能は非常に改善したことを示した。ただし、これらの結果の効果は小さい(大きな効果を報告したレビューは1件のみ)。

*心理的機能とQOL:
結果は一定ではなく、エクササイズが効果的だった、もしくは、エクササイズの有無で違いは見られなかったのどちらかだった。(ただし、肯定的な結果の効果の大きさは中小程度。2件のレビューは、QOLで高い効果を示した) 否定的な結果はなかった。

*定められた介入への順守率:
これは、いずれのレビューでも評価できなかった。しかし、途中でやめてしまうリスクは、グループ間の違いで顕著ではないが、エクササイズを行ったグループが若干高かった。(1000の参加者のうち82.8人/1000の参加者のうち81人)

*医療での実用/参加数:
いずれのレビューで報告はなかった。

*副作用、潜在的な有害、死:
18件のレビューで扱われた試験に関して、わずか25%が積極的に副作用に関して報告された。入手可能なエビデンスをもとにすると、ほとんどの副作用は、痛みの増加、介入の数週間後に沈静する程度の筋肉痛であった。1件のレビューは、副作用の例とは別に死亡例を報告した。統計上の有意性はないが、介入は死を予防することを示唆した。

筆者たちの結論:

慢性疼痛に向けた身体活動やエクササイズの効果を示すエビデンスの質は低い。これは、サンプルのサイズが小さく、研究が潜在的に検出力不足である為である。多くの研究が、適切に長い介入をしていたが、その後のフォローアップが6件を除く全てのレビューにおいて、1年以下と限定的であった。レビューによって結果に一貫性は見られないが、痛みの重症度の軽減、身体機能を向上させる効果は、中小程度あった。心理的機能、QOLに関しては、効果は様々であった。入手可能なエビデンスは、身体活動やエクササイズは、副作用がほとんどなく、痛みを軽減し、身体機能、QOLを向上させる介入であると示唆している。しかし、更なる研究が必要であり、参加者の人数を増やし、より広範囲な痛みの重症度を有する参加者を含めるべきである。また、介入自体やフォローアップの期間も長くすべきである。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28087891/

*Geneen LJ, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2017

翻訳:平山綾子

ヨガセラピーでは、どの種類のヨガを選んだらよいのか?

2017年02月10日

ヨガの臨床試験では、ヨガによる介入として様々な種類のヨガが導入されています。

今回公表された系統的レビュー(*)には、306件の無作為化試験が組み込まれ、合計52種類のヨガの手法が使われていました。最も多かった順に、ハタヨガ(36件)、アイアンガーヨガ(31件)、プラーナヤーマ(26件)でした。
306件のうち277件(91%)の無作為化試験で、ヨガの介入による良好な結果が示されました。つまりほとんどの試験でヨガは有用だったのです。

では、ヨガの種類別にみたときに有用性に差はあったのでしょうか?
結果として本系統的レビューでは、ヨガの種類によってその良好な結果に差がある、ということは示されませんでした。
これらの結果を踏まえて、患者さんにヨガを導入する際には、ヨガの種類にこだわるよりも、その患者さん個人の嗜好性やその人にとって利用しやすいのかどうか、ということを基本に選択することができる、と結論付けています。

* Cramer H, et al. ”Is one yoga style better than another? A systematic review of associations of yoga style and conclusions in randomized yoga trials.”

Complement Ther Med. 2016 Apr;25:178-87.

ヨガによる有害事象に関する大規模調査(アメリカ)

2017年02月9日

ヨガは心と身体の健康によい影響を及ぼすとされていますが、良い影響だけでしょうか?
安心・安全にヨガを患者さんに提供するためには、ヨガにより引き起こされる怪我についても考慮しなければいけません。

ヨガはアメリカではとても人気があります。今回、アメリカにおけるヨガに関連した怪我の2001年~2014年までのデータが公表されました*。

・13年間で29,590件のヨガに関連した怪我が発生
・最も多かった怪我の部位は胴体(46.6%)
・最も多かった診断名は捻挫/筋違い(45%)
・怪我の割合は2001年~2014年の間に年々増加
・2014年単年だけみると、65歳以上の年齢層は、65歳未満の年齢層に比べて怪我の割合がとても多かった(10万人のうち57.9人)

ヨガは私たちや患者さんの健康に良い影響をもたらしますが、一方で怪我のリスクについてもしっかり意識をすることが大事です。

メディカルヨガを希望する患者さんには事前に医療者にヨガをすることに関して相談してもらうことが大事です。
そしてメディカルヨガの提供者も正しい知識を身に付けることはもちろん、個々の患者さんの状態に合わせて安心・安全なヨガを提供していかなくてはなりません。

* Swain TA, et al. Yoga-Related Injuries in the United States From 2001 to 2014.
J Sports Med. 2016 Nov 16;4(11):2325967116671703

「Patient-reported outcome」で評価されるヨガセラピー

2017年02月8日

Patient-reported outcomeは臨床試験で医師を介さずに患者さんご自身が効果を評価するものです。
近年医薬品の臨床試験においても患者さんの生活の質(Quality of life:QOL)が注目されるようになりました。従来の臨床試験は医師による評価が主流でしたが、痛みをはじめ睡眠障害、不安、疲労、生きがい、幸福感、心の健康などに関し、医師評価の代わりに患者さんが自分自身を評価するPatient-reported outcomeが重要視されています。

ヨガセラピストにとってヨガは患者さんにどのような影響を与えているのかについてはとても興味深いところだと思います。最近ではPatient-reported outcomeを用いたヨガの臨床効果を検証する臨床試験の数も増えています。

10月にメタボリックシンドロームのリスク低減のためのヨガの効果についてPatient-reported outcomeを用いて評価した無作為化比較パイロット試験の結果が公表されました*。

67人のメタボリックシンドロームのリスクのある成人(平均年齢58歳、男性50%、79%が非ヒスパニック系白人)が対象となった試験で、健康教育と12週のヨガプログラムを実施した群と、健康教育のみを実施した群とでストレス、QOL、心理的アウトカムを評価しました。プレリミナリーな結果として、健康教育とヨガの両方を施行した集団は、ヨガを施行していない集団に比べて、身体的・精神的に健康状態が大きく改善されたことが示されました。

この臨床試験ではPatient-reported outcomeのツールとして、ストレスを評価するもの(PSS)、気分状態を評価するもの(POMS)、健康コンピタンスを評価するもの(PHCS)、マインドフルネスを評価するもの(FFMQ)、身体的・精神的健康状態を評価するもの(SF36)が使用されていました。

今後もヨガセラピーの臨床試験の評価として、Patient-reported outcomeが注目されていくことでしょう。

* Sohl SJ, et al., Evid Based Complement Alternat Med. 2016;2016:3094589. Epub 2016 Oct 26.

自閉症とヨガ:研究

2017年02月7日

アメリカでここ数年急速に導入が進んでいるのが、教育現場へのヨガの導入です。
子供たちの心と体のケアに具体的な方策が必要になっている社会状況の反映でしょうか。
中でも、自閉症やアスペルガー症候群の子供たちの認知行動療法への応用としてヨガセラピーが取り入れられるケースが増えてきています。

Phase III などの臨床試験が行われており、かつその結果が良好な がん x ヨガなどに比べ、自閉症に関する大規模臨床試験はまだ始まっていません。
しかし、実際に教育現場での導入が普及し、教育者や両親、子供たちにとってその効果が予測・実感できるようになってくれば、数値的な証明への要請も高まり、今後エビデンスも構築されていくことでしょう。

ここでは、二つの臨床事例をご紹介させていただきます。

Sleep Disorder, Gastrointestinal Problems and Behaviour Problems Seen in Autism Spectrum Disorder Children and Yoga as Therapy: A Descriptive Review.
自閉症の子供達の睡眠障害、胃腸不良、問題行動と、ヨガというセラピー、記述的レビュー

Narasingharao K1, Pradhan B2, Navaneetham J3.
J Clin Diagn Res. 2016 Nov;10(11):VE01-VE03. doi: 10.7860/JCDR/2016/24175.8922. Epub 2016 Nov 1.

ASDの子供達は神経の病状そのものだけではなく、不眠や不良が問題行動を引き起こしているということが研究で分かっている。特に問題となるのは、子供達の世話をしている母親との関係に高いストレスをもたらすことだ。心理的レベルでの行動介入がヨガでこのような問題を解決するために行われている。ヨガは安全に行えば害がなく、心と体に変化をもたらす代替療法である。自閉症の子供達のケアにあたる両親たちも高血圧や、糖尿病、関節炎などの影響を受けやすくなると言われている。親によるヨガの介入は子供達と両親、そして家族全体に良い影響を与えるだろう。

Relaxation response-based yoga improves functioning in young children with autism: a pilot study.
パイロットスタディ:リラクセーションを目的としたヨガが自閉症児童の機能改善をもたらした

Rosenblatt LE1, Gorantla S, Torres JA, Yarmush RS, Rao S, Park ER, Denninger JW, Benson H, Fricchione GL, Bernstein B, Levine JB.
J Altern Complement Med. 2011 Nov;17(11):1029-35. doi: 10.1089/acm.2010.0834. Epub 2011 Oct 12.

目的:緩やかな動きのヨガによる保管代替療法的アプローチが、自閉症児童に及ぼすセラピー効果の検証
対象:ASDの診断を受けた、3-16歳の子供達24名
介入:8週間に渡る、リラクセーション反応を目的としたヨガ、ダンス、音楽療法
計測手法:BASC-2(The Behavioral Assessment System for Children, Second Edition) 並びに ABC(Aberrant Behsavioral Checklist)
結果:5-12歳の子供達に、BASC-2にはっきりとした変化が見られた。予想に反し、BASC-2での自閉症児に特有な項目において、治療後の数値は優位であった。(p=0.003)
結論:リラクセーション反応を意図した、動きを伴ったヨガとダンスは自閉症児童、特に就学前の子供たちの、行動改善に効果があった。

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自閉症とヨガ

2017年02月5日
ヨガはもはや、フィットネス業界だけに留らず、様々な分野でその成果を認められつつあります。
昨今では多種多様な◯◯×ヨガが注目されていますが、今回はその中の1つ、「自閉症×ヨガ」に着目している方の記事をご紹介させていただきます。

1つ目はこちらのブログです。

「こどもの発達を考える衝動眼鏡の日常」
岩手県在住の理学療法士さんが書かれた記事です。
重症児(者)の方々や発達障害のお子様のリハビリなどをされている石ケ森さんは
リハビリのメニューとしてヨガを取り入れられることもあるそうです。
そんな中で閃いた「自閉症にもヨガってありじゃない?」という思い。
石ケ森さん自身が患者さんに寄り添うその時間で育まれた、自閉症という障害への生きた知識や理解、経験が、ヨガの有効性をさらに裏付けている大変興味深い記事です。
特に「つま先立ち」や「ご家族へのヨガ」にも着目されているところは、現場を知る方ならではの行き届いた配慮ではないでしょうか。

もう一つはこちらのブログ。

「Practice,Practice,Plactice・・・」
http://ihbh.jugem.jp/?eid=444
アシュタンガヨガをされているフリーライターmatoさんの記事です。
アシュタンガヨガといえばパワーヨガのベースになったヨガであり、大変運動量の多いヨガです。ニューヨークに行かれたmatoさんは、自閉症の方向けヨガクラスが開催されていることを知り、見学を申し出ます。そこで目の当たりにしたのは、予測通りのビギナークラスと想像を絶するアドバンスクラス(1年近く継続された方のクラス)だったのです。
皆が揃って同じポーズをすることの少ないビギナークラスとは打って変わり、1年近く継続された自閉症の方達のクラスは健常者同様、皆が先生のガイドに従い、アシュタンガヨガを楽しんでいたのです。
日本でも是非見習いたい、貴重な海外事例のレポートとなります。
期待される○○×ヨガ。
○○はそれぞれでも、行われることは一緒ではないでしょうか。
要は「マインドフルネス」。
皆さまの○○にもヨガが功を奏するかもしれません。
また新たな○○×ヨガ情報がありましたら、ご紹介させていただきます。
(石井及子)

自閉症とヨガに関する臨床研究についてはこちら

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ヨガが役に立つとき:心の余裕を見失うことは誰にでもある

2016年12月19日

ヨガをする男性のことをヨギー、女性のことをヨギーニと言います。

ではその定義とはどんなものでしょう。教則本に出てくるような難しいポーズをできる人こそがヨギーというのでしょうか。雑誌に載っているモデルさんのように美しくポーズを決められる人をヨギーニと呼ぶのでしょうか。

実はそうでもないのです。世間一般でヨガと呼ばれている体を動かし ポーズをとるヨガは実は沢山あるヨガのうちのほんの一部。これを「ハタヨガ」と呼びます。

ではヨガをしている人とはどんな人のことでしょう?

ありのまま自分の心に従順であらゆることを受け入れるのが上手で、自分のペースを保つことに長けていて、後先よりも今その瞬間を大切にしている。自分を縛り付けることもしない分、心に余裕があって、客観視が上手で、まわりの人の気持ちにもきちんと気づくことができる調和の取れた人。自分にも他者にも優しく思いやりがあり、足ることを知る、そんな人。そんな心持で過ごしている人は例えヨガのポーズなどを知らなくともヨギー、ヨギーニと言えるでしょう。

みなさんの身近にもいませんか?喜怒哀楽に素直で、心のままに振る舞うのが上手で自分を解放している分、周りにも懐深く愛情深く接してくれるそんな愛すべき友人が。

しかしその友人がずっとその状態かというとそうでもないかもしれません。何故なら人生には様々なライフイベントがつきものだから。

この世に生を受け、幼少期、青年期、壮年期、老年期と過ごしていく中で就学、受験、就職、引っ越し、結婚、出産、死別、病気、老いなどなど…生きていれば誰もが様々な試練や苦悩に見舞われることは避けようのない事実。

物事が上手くいかず八方塞がりになると、人は心の余裕を失い、こうでなくてないけない、こうあるべきであると自分で自分を縛り、そのことで息苦しくなり自分にも他者にもつい厳しくなってしまいがち。
心のヨガを忘れてしまうのです。

こんな時のために「ハタヨガ」があります。
緊張と不安でガチガチに強張った体を深い呼吸と共にのびのび伸ばしてポーズをとれば身体と一緒に心も緩んでいくのがわかります。
身体にスペースができると心にもスペースができます。
そして忘れていた周りへの感謝の気持ちや愛情を再び抱くことができるのです。

ヨガとはつまり心の在り方でありそしてそれは深い呼吸とポーズによってよりその状態に近づきやすくなるということ。

人生の節目、ライフイベントを迎え、心の余裕を見失いがちな時こそ
ハタヨガというものに目を向けてみてはいかがでしょう。
心を緩め周りと寄り添うことができたなら

あなたも立派なヨギー、ヨギーニです。

協会公認コーチ:石井及子

シニアヨガ:老いをますます豊かに

2016年12月17日

アメリカ abc ニュースで105歳でヨガを教える女性の動画が注目を集めています。

http://www.wzzm13.com/news/local/michigan-life/ludingtons-lil-hansen-still-teaching-yoga-class-at-105-years-old/358005108?cid=abcn_fb

サイトのコメントより

ミシガン州、ルディントン

もしあなたが105歳まで生きることができたら、何がしたいですか?

ルディントンのある女性は今年105歳を迎えました。その年齢で彼女がしていることは本当に驚きです。
彼女の名前はリー・ハンセン。1911年11月30日に生まれました。

2015年の夏に彼女のことを取材しましたが、そのとき彼女は103歳でした。そのとき彼女はヨガを教えており、そして今も教え続けています。

彼女は毎週ヨガを教えています。
今朝も自分の子供であり得る年齢、70代、80代の生徒達にヨガを教えています。

クラスの後は105際の誕生日パーティが始まりました。これほど多くの人に驚きと感動を与えながらも、彼女が105際であることは全く信じられません。

彼女はルディントンの育ちの家で、今も一人で暮らしています。

ヨガを教え続けるだけでなく、彼女はトランプゲームのリーダーも務めるほど今も頭脳明晰です。

訳)岡部 朋子

高齢者にとって、ヨガは決して無理な運動ではなく、むしろ自分のペースで始め、続けることで老後の生活を豊かにすることが知られ始めています。

(お知らせ)

一般社団法人日本ヨガメディカル協会では、高齢者の方がヨガを学び、高齢者の方々に教えられる社会のシステムデザインに取り組んでいく仲間を募集していきます。関心のある方は下記より会員登録をお願いいたします。

http://yoga-medical.org/guide/

リラックスに投資する企業が増えている(ワシントンポスト紙)

2016年12月13日

従業員のストレスを解消し、勤労意欲を向上させるために、ソフトボールチームなどを有している会社がかつては主流でした。しかし最近は従業員に外野手になるよう勧めていた会社が、ヨガに取り組むことを奨励しています。

メリーランド州シルバースプリングにあるディスカバリー・コミュニケーション社の従業員は、契約スタジオの10週間のヨガプログラムを受講でき、その費用は会社から払い戻されます。また、同社ではマッサージ・セラピーが社内で提供されています。

同じくメリーランド州ベセスダにあるタワー社(建設業)では、3カ月以上勤務する社員に無料で瞑想コースを受講できるようにしています。コースは会社からほんの2ブロック先にあるマハリシ平和宮殿で行われ、4日間のプログラムです。会社が費用を負担してくれるばかりか、社員は就業時間中にコースを受講できるのです。

ワシントンエリアでは、ストレスを解消し、生産性を高め、医療費を抑制するためのツールを無料もしくは補助金付きで従業員に提供する企業が急増しています。ディスカバリー社とタワー社はそのうちのほんの二社に過ぎません。

「ディスカバリー社では、従業員に身体面、情緒面、精神面の健康維持を奨励する具体的なプログラムの作成を目指し、医療費の削減に取り組んでいるのです。」と同社広報担当のミッチェル・ラッソはいいます。

4年前カリン・ワイドマンがワシントンエリアにアーバンヨガスタジオを設立し、たった1人で従業員向けのヨガクラスを始めた頃は、企業はヨガに興味を持つものの、契約を更新しようとまではしなかったそうです。

それが今では彼女は5名のインストラクターを雇用し、法律事務所、ナショナルパークサービス、インターナショナルユニオン等を含む複数の企業クライアントにヨガを提供しています。

彼女の下には毎月約5件ほど新しい問い合わせの電話が鳴り響くといいます。クライアントは今やよく下調べをしており、担当講師についてや、どこでクラスが受けられるかなどまで質問してきます。彼女は1時間当たり200ドルでサービスを提供しています。

健康に関する関心の高まりはワシントンエリアでは今後もメインストリームとなり定着し続けていくと思われますが、ニューヨークやサンフランシスコではすでに当たり前のものとなっています。

例えば女性向け服飾メーカーのエレン・フィッシャー社では、数年前から従業員向けに健康口座の提供を始めました。 500名を超える従業員は、年間1,000ドル相当のマッサージやヨガ、リフレクソロジー等のリラクセーションを受けることができます。それらのサービスは時に社内や就業時間中に提供されることもあります。

似たような企業健康プログラムの研究は、医療コストの抑制に貢献することを示しています。
2002年に、ジャーナル( the Journal of Occupational and Environmental Medicine ) は、クアーズ社(ビール醸造業)の健康プログラムが、6年間の投資に対し、6.15ドルものリターンをもたらしたという報告を発表しました。事務用什器メーカーであるSteelcase社も、5年以上の投資で5.80ドルのリターンを受取れるという報告をしています。Equitable生命保険会社では5.52ドルのリターン、今はシティグループ傘下のトラベラーズ社は、1年間で3.40ドルのリターンを算定しています。

瞑想やヨガの人気は、精神性を求める深い願望に結びついていると、南カリフォルニア大学の経営政策教授であるイアン・ミトロフ氏は話します。

「瞑想やヨガは単なるストレス解消の手法に過ぎなくはないということです。精神的な面に大変影響があるのです。私たちは起きている時間の大半を仕事に費やしながら、生きる意味と目的を探し求めたいのです。」

先述のタワー社は、リサイクル材料を使った「グリーン」オフィスビルの開発で高評価を得ています。同社はさらに健康促進プログラムの流行を先取りしていたのです。12年前、本社の従業員に対して、毎日2回瞑想を実践することを条件に、瞑想のクラスを無料で提供することを始めていました。

重役の一人であるジェフリー・アブラムソン氏は、トランセンデンタル瞑想を長年実践しており、会社の福利厚生の医療手当のリストに瞑想のクラスを加えました。ストレス関連の病気や症状の発生と医療費の増大に歯止めをかけるのに適した方法であると考えたからです。

企業の健康管理システムが見失っているのは予防です。」と彼は言います。
タワー社は約2年前から、他の事業所の従業員にも瞑想のクラスを提供し始めました。

残念ながら、同社では従業員に瞑想を教えることで会社の医療費がどれほど減少したかを示す統計はとられてはいません。その理由は会社の従業員数が統計的に有意とみなされるサンプル数に達していないからだそうです。

「50歳の人が、それまでの50年の人生と対比して、瞑想からどのような影響を受けたかを数値で示すのは難しいことです」と彼は言います。「瞑想に取り組んだから当社の従業員たちの心臓発作が減ったということは言えません。なぜなら私たちは心臓発作を起こしたことがないからです。」

また、アブラムソン氏は、瞑想している彼の従業員と瞑想していない従業員の違いを見分けられると言います。

「当社の従業員はより明るく、活力にあふれて。トランセンデンタル瞑想は否定的な要因に負けることなく、成功をおさめるための方法です。以前は『倒れるまで働く』ことが模範とされてきました。それが自分の価値を証明する方法でした。しかし、今や非常に多くのアメリカ人が高血圧になっています。私たちの生理は、高いストレスを受けながら活動するようには本来設計されていないのです。」

『ワシントン・ポスト』2005年3月3日

More Area Firms Paying Employees to Relax
Yoga, Meditation Seen As Health Care Boons

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A1630-2005Mar2.html

By Annys Shin
Washington Post Staff Writer
Thursday, March 3, 2005; Page GZ12

翻訳 岡部朋子

雑誌「精神看護」19巻 3号

2016年09月16日

雑誌「精神看護」19巻 3号に、愛誠病院で行ったヨガの取り組みによる事例が掲載されています。

雑誌「精神看護」19巻 3号 pp. 292-297
Print ISSN: 1343-2761 Online ISSN: 1347-8370
女子閉鎖病棟に落ち着きの時間をもたらしたヨガの取り組み
栗山 美樹1, 高野 裕子, 後藤 恵美, 平山 綾子
1愛誠病院 女子閉鎖病棟
発行日/2016/5/15

【文献概要】
■空間は変えられないが、この喧騒をなんとかしたい
私が勤務する病院の女子閉鎖病棟でヨガの取り組みを行い、それによる変化を実感しましたので、紹介させていただきます。
愛誠病院は東京都板橋区にある、66年の歴史がある病院です。女子閉鎖病棟は病床66床(保護室3床)、患者さんの最高齢は85歳、いちばん若い人で37歳(2015年3月現在)。なかには40年間を超える長期療養の方もいます。患者さんは年々高齢化しておりほとんどが統合失調症の方です。転倒事故の3分の1から2分の1の原因が、薬剤による副作用と高齢化という現状です。

以下、1ページ目は下記のサイトからご覧いただけます。
http://medicalfinder.jp/doi/abs/10.11477/mf.1689200235

kango