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【関連記事】の記事

ヨガセラピーでは、どの種類のヨガを選んだらよいのか?

2017年02月10日

ヨガの臨床試験では、ヨガによる介入として様々な種類のヨガが導入されています。

今回公表された系統的レビュー(*)には、306件の無作為化試験が組み込まれ、合計52種類のヨガの手法が使われていました。最も多かった順に、ハタヨガ(36件)、アイアンガーヨガ(31件)、プラーナヤーマ(26件)でした。
306件のうち277件(91%)の無作為化試験で、ヨガの介入による良好な結果が示されました。つまりほとんどの試験でヨガは有用だったのです。

では、ヨガの種類別にみたときに有用性に差はあったのでしょうか?
結果として本系統的レビューでは、ヨガの種類によってその良好な結果に差がある、ということは示されませんでした。
これらの結果を踏まえて、患者さんにヨガを導入する際には、ヨガの種類にこだわるよりも、その患者さん個人の嗜好性やその人にとって利用しやすいのかどうか、ということを基本に選択することができる、と結論付けています。

* Cramer H, et al. ”Is one yoga style better than another? A systematic review of associations of yoga style and conclusions in randomized yoga trials.”

Complement Ther Med. 2016 Apr;25:178-87.

ヨガによる有害事象に関する大規模調査(アメリカ)

2017年02月9日

ヨガは心と身体の健康によい影響を及ぼすとされていますが、良い影響だけでしょうか?
安心・安全にヨガを患者さんに提供するためには、ヨガにより引き起こされる怪我についても考慮しなければいけません。

ヨガはアメリカではとても人気があります。今回、アメリカにおけるヨガに関連した怪我の2001年~2014年までのデータが公表されました*。

・13年間で29,590件のヨガに関連した怪我が発生
・最も多かった怪我の部位は胴体(46.6%)
・最も多かった診断名は捻挫/筋違い(45%)
・怪我の割合は2001年~2014年の間に年々増加
・2014年単年だけみると、65歳以上の年齢層は、65歳未満の年齢層に比べて怪我の割合がとても多かった(10万人のうち57.9人)

ヨガは私たちや患者さんの健康に良い影響をもたらしますが、一方で怪我のリスクについてもしっかり意識をすることが大事です。

メディカルヨガを希望する患者さんには事前に医療者にヨガをすることに関して相談してもらうことが大事です。
そしてメディカルヨガの提供者も正しい知識を身に付けることはもちろん、個々の患者さんの状態に合わせて安心・安全なヨガを提供していかなくてはなりません。

* Swain TA, et al. Yoga-Related Injuries in the United States From 2001 to 2014.
J Sports Med. 2016 Nov 16;4(11):2325967116671703

「Patient-reported outcome」で評価されるヨガセラピー

2017年02月8日

Patient-reported outcomeは臨床試験で医師を介さずに患者さんご自身が効果を評価するものです。
近年医薬品の臨床試験においても患者さんの生活の質(Quality of life:QOL)が注目されるようになりました。従来の臨床試験は医師による評価が主流でしたが、痛みをはじめ睡眠障害、不安、疲労、生きがい、幸福感、心の健康などに関し、医師評価の代わりに患者さんが自分自身を評価するPatient-reported outcomeが重要視されています。

ヨガセラピストにとってヨガは患者さんにどのような影響を与えているのかについてはとても興味深いところだと思います。最近ではPatient-reported outcomeを用いたヨガの臨床効果を検証する臨床試験の数も増えています。

10月にメタボリックシンドロームのリスク低減のためのヨガの効果についてPatient-reported outcomeを用いて評価した無作為化比較パイロット試験の結果が公表されました*。

67人のメタボリックシンドロームのリスクのある成人(平均年齢58歳、男性50%、79%が非ヒスパニック系白人)が対象となった試験で、健康教育と12週のヨガプログラムを実施した群と、健康教育のみを実施した群とでストレス、QOL、心理的アウトカムを評価しました。プレリミナリーな結果として、健康教育とヨガの両方を施行した集団は、ヨガを施行していない集団に比べて、身体的・精神的に健康状態が大きく改善されたことが示されました。

この臨床試験ではPatient-reported outcomeのツールとして、ストレスを評価するもの(PSS)、気分状態を評価するもの(POMS)、健康コンピタンスを評価するもの(PHCS)、マインドフルネスを評価するもの(FFMQ)、身体的・精神的健康状態を評価するもの(SF36)が使用されていました。

今後もヨガセラピーの臨床試験の評価として、Patient-reported outcomeが注目されていくことでしょう。

* Sohl SJ, et al., Evid Based Complement Alternat Med. 2016;2016:3094589. Epub 2016 Oct 26.

自閉症とヨガ:研究

2017年02月7日

アメリカでここ数年急速に導入が進んでいるのが、教育現場へのヨガの導入です。
子供たちの心と体のケアに具体的な方策が必要になっている社会状況の反映でしょうか。
中でも、自閉症やアスペルガー症候群の子供たちの認知行動療法への応用としてヨガセラピーが取り入れられるケースが増えてきています。

Phase III などの臨床試験が行われており、かつその結果が良好な がん x ヨガなどに比べ、自閉症に関する大規模臨床試験はまだ始まっていません。
しかし、実際に教育現場での導入が普及し、教育者や両親、子供たちにとってその効果が予測・実感できるようになってくれば、数値的な証明への要請も高まり、今後エビデンスも構築されていくことでしょう。

ここでは、二つの臨床事例をご紹介させていただきます。

Sleep Disorder, Gastrointestinal Problems and Behaviour Problems Seen in Autism Spectrum Disorder Children and Yoga as Therapy: A Descriptive Review.
自閉症の子供達の睡眠障害、胃腸不良、問題行動と、ヨガというセラピー、記述的レビュー

Narasingharao K1, Pradhan B2, Navaneetham J3.
J Clin Diagn Res. 2016 Nov;10(11):VE01-VE03. doi: 10.7860/JCDR/2016/24175.8922. Epub 2016 Nov 1.

ASDの子供達は神経の病状そのものだけではなく、不眠や不良が問題行動を引き起こしているということが研究で分かっている。特に問題となるのは、子供達の世話をしている母親との関係に高いストレスをもたらすことだ。心理的レベルでの行動介入がヨガでこのような問題を解決するために行われている。ヨガは安全に行えば害がなく、心と体に変化をもたらす代替療法である。自閉症の子供達のケアにあたる両親たちも高血圧や、糖尿病、関節炎などの影響を受けやすくなると言われている。親によるヨガの介入は子供達と両親、そして家族全体に良い影響を与えるだろう。

Relaxation response-based yoga improves functioning in young children with autism: a pilot study.
パイロットスタディ:リラクセーションを目的としたヨガが自閉症児童の機能改善をもたらした

Rosenblatt LE1, Gorantla S, Torres JA, Yarmush RS, Rao S, Park ER, Denninger JW, Benson H, Fricchione GL, Bernstein B, Levine JB.
J Altern Complement Med. 2011 Nov;17(11):1029-35. doi: 10.1089/acm.2010.0834. Epub 2011 Oct 12.

目的:緩やかな動きのヨガによる保管代替療法的アプローチが、自閉症児童に及ぼすセラピー効果の検証
対象:ASDの診断を受けた、3-16歳の子供達24名
介入:8週間に渡る、リラクセーション反応を目的としたヨガ、ダンス、音楽療法
計測手法:BASC-2(The Behavioral Assessment System for Children, Second Edition) 並びに ABC(Aberrant Behsavioral Checklist)
結果:5-12歳の子供達に、BASC-2にはっきりとした変化が見られた。予想に反し、BASC-2での自閉症児に特有な項目において、治療後の数値は優位であった。(p=0.003)
結論:リラクセーション反応を意図した、動きを伴ったヨガとダンスは自閉症児童、特に就学前の子供たちの、行動改善に効果があった。

自閉症とヨガに関する記事はこちら

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自閉症とヨガ

2017年02月5日
ヨガはもはや、フィットネス業界だけに留らず、様々な分野でその成果を認められつつあります。
昨今では多種多様な◯◯×ヨガが注目されていますが、今回はその中の1つ、「自閉症×ヨガ」に着目している方の記事をご紹介させていただきます。

1つ目はこちらのブログです。

「こどもの発達を考える衝動眼鏡の日常」
岩手県在住の理学療法士さんが書かれた記事です。
重症児(者)の方々や発達障害のお子様のリハビリなどをされている石ケ森さんは
リハビリのメニューとしてヨガを取り入れられることもあるそうです。
そんな中で閃いた「自閉症にもヨガってありじゃない?」という思い。
石ケ森さん自身が患者さんに寄り添うその時間で育まれた、自閉症という障害への生きた知識や理解、経験が、ヨガの有効性をさらに裏付けている大変興味深い記事です。
特に「つま先立ち」や「ご家族へのヨガ」にも着目されているところは、現場を知る方ならではの行き届いた配慮ではないでしょうか。

もう一つはこちらのブログ。

「Practice,Practice,Plactice・・・」
http://ihbh.jugem.jp/?eid=444
アシュタンガヨガをされているフリーライターmatoさんの記事です。
アシュタンガヨガといえばパワーヨガのベースになったヨガであり、大変運動量の多いヨガです。ニューヨークに行かれたmatoさんは、自閉症の方向けヨガクラスが開催されていることを知り、見学を申し出ます。そこで目の当たりにしたのは、予測通りのビギナークラスと想像を絶するアドバンスクラス(1年近く継続された方のクラス)だったのです。
皆が揃って同じポーズをすることの少ないビギナークラスとは打って変わり、1年近く継続された自閉症の方達のクラスは健常者同様、皆が先生のガイドに従い、アシュタンガヨガを楽しんでいたのです。
日本でも是非見習いたい、貴重な海外事例のレポートとなります。
期待される○○×ヨガ。
○○はそれぞれでも、行われることは一緒ではないでしょうか。
要は「マインドフルネス」。
皆さまの○○にもヨガが功を奏するかもしれません。
また新たな○○×ヨガ情報がありましたら、ご紹介させていただきます。
(石井及子)

自閉症とヨガに関する臨床研究についてはこちら

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