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リラックスに投資する企業が増えている(ワシントンポスト紙)

2016年12月13日

従業員のストレスを解消し、勤労意欲を向上させるために、ソフトボールチームなどを有している会社がかつては主流でした。しかし最近は従業員に外野手になるよう勧めていた会社が、ヨガに取り組むことを奨励しています。

メリーランド州シルバースプリングにあるディスカバリー・コミュニケーション社の従業員は、契約スタジオの10週間のヨガプログラムを受講でき、その費用は会社から払い戻されます。また、同社ではマッサージ・セラピーが社内で提供されています。

同じくメリーランド州ベセスダにあるタワー社(建設業)では、3カ月以上勤務する社員に無料で瞑想コースを受講できるようにしています。コースは会社からほんの2ブロック先にあるマハリシ平和宮殿で行われ、4日間のプログラムです。会社が費用を負担してくれるばかりか、社員は就業時間中にコースを受講できるのです。

ワシントンエリアでは、ストレスを解消し、生産性を高め、医療費を抑制するためのツールを無料もしくは補助金付きで従業員に提供する企業が急増しています。ディスカバリー社とタワー社はそのうちのほんの二社に過ぎません。

「ディスカバリー社では、従業員に身体面、情緒面、精神面の健康維持を奨励する具体的なプログラムの作成を目指し、医療費の削減に取り組んでいるのです。」と同社広報担当のミッチェル・ラッソはいいます。

4年前カリン・ワイドマンがワシントンエリアにアーバンヨガスタジオを設立し、たった1人で従業員向けのヨガクラスを始めた頃は、企業はヨガに興味を持つものの、契約を更新しようとまではしなかったそうです。

それが今では彼女は5名のインストラクターを雇用し、法律事務所、ナショナルパークサービス、インターナショナルユニオン等を含む複数の企業クライアントにヨガを提供しています。

彼女の下には毎月約5件ほど新しい問い合わせの電話が鳴り響くといいます。クライアントは今やよく下調べをしており、担当講師についてや、どこでクラスが受けられるかなどまで質問してきます。彼女は1時間当たり200ドルでサービスを提供しています。

健康に関する関心の高まりはワシントンエリアでは今後もメインストリームとなり定着し続けていくと思われますが、ニューヨークやサンフランシスコではすでに当たり前のものとなっています。

例えば女性向け服飾メーカーのエレン・フィッシャー社では、数年前から従業員向けに健康口座の提供を始めました。 500名を超える従業員は、年間1,000ドル相当のマッサージやヨガ、リフレクソロジー等のリラクセーションを受けることができます。それらのサービスは時に社内や就業時間中に提供されることもあります。

似たような企業健康プログラムの研究は、医療コストの抑制に貢献することを示しています。
2002年に、ジャーナル( the Journal of Occupational and Environmental Medicine ) は、クアーズ社(ビール醸造業)の健康プログラムが、6年間の投資に対し、6.15ドルものリターンをもたらしたという報告を発表しました。事務用什器メーカーであるSteelcase社も、5年以上の投資で5.80ドルのリターンを受取れるという報告をしています。Equitable生命保険会社では5.52ドルのリターン、今はシティグループ傘下のトラベラーズ社は、1年間で3.40ドルのリターンを算定しています。

瞑想やヨガの人気は、精神性を求める深い願望に結びついていると、南カリフォルニア大学の経営政策教授であるイアン・ミトロフ氏は話します。

「瞑想やヨガは単なるストレス解消の手法に過ぎなくはないということです。精神的な面に大変影響があるのです。私たちは起きている時間の大半を仕事に費やしながら、生きる意味と目的を探し求めたいのです。」

先述のタワー社は、リサイクル材料を使った「グリーン」オフィスビルの開発で高評価を得ています。同社はさらに健康促進プログラムの流行を先取りしていたのです。12年前、本社の従業員に対して、毎日2回瞑想を実践することを条件に、瞑想のクラスを無料で提供することを始めていました。

重役の一人であるジェフリー・アブラムソン氏は、トランセンデンタル瞑想を長年実践しており、会社の福利厚生の医療手当のリストに瞑想のクラスを加えました。ストレス関連の病気や症状の発生と医療費の増大に歯止めをかけるのに適した方法であると考えたからです。

企業の健康管理システムが見失っているのは予防です。」と彼は言います。
タワー社は約2年前から、他の事業所の従業員にも瞑想のクラスを提供し始めました。

残念ながら、同社では従業員に瞑想を教えることで会社の医療費がどれほど減少したかを示す統計はとられてはいません。その理由は会社の従業員数が統計的に有意とみなされるサンプル数に達していないからだそうです。

「50歳の人が、それまでの50年の人生と対比して、瞑想からどのような影響を受けたかを数値で示すのは難しいことです」と彼は言います。「瞑想に取り組んだから当社の従業員たちの心臓発作が減ったということは言えません。なぜなら私たちは心臓発作を起こしたことがないからです。」

また、アブラムソン氏は、瞑想している彼の従業員と瞑想していない従業員の違いを見分けられると言います。

「当社の従業員はより明るく、活力にあふれて。トランセンデンタル瞑想は否定的な要因に負けることなく、成功をおさめるための方法です。以前は『倒れるまで働く』ことが模範とされてきました。それが自分の価値を証明する方法でした。しかし、今や非常に多くのアメリカ人が高血圧になっています。私たちの生理は、高いストレスを受けながら活動するようには本来設計されていないのです。」

『ワシントン・ポスト』2005年3月3日

More Area Firms Paying Employees to Relax
Yoga, Meditation Seen As Health Care Boons

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A1630-2005Mar2.html

By Annys Shin
Washington Post Staff Writer
Thursday, March 3, 2005; Page GZ12

翻訳 岡部朋子