協会レポート&ニュース

HOME / 協会レポート&ニュース

アメリカ デューク大学医療センターでのヨガクラス

2018年04月4日 | 事例レポート

日本の先を行くアメリカの医療とヨガ。

先日ご家族と共にアメリカに赴任されたヨガセラピストの方より、こんなお便りをいただきました。
ノースカロライナ州の街のフリーペーパーに病院のヨガクラスの案内が載っているとのこと。
それはアメリカで統合医療の最先端を行くデューク大学医療センター統合医療部(Duke Integrative Medicine) でのヨガやマインドフルネスのクラスの案内でした。


ヨガだけでなく、マインドフルネスのクラスもあります。
がん患者さん向けのヨガクラスもあります。
グループクラスのドロップインでも、10ドル(約1300円ぐらい)
パーソナルセッションだと、15000円ぐらいのようです。

近年、アメリカ人の間で、鍼灸,漢方薬,指圧,気功,マッサージ,ヨガ,カイロプラクティックなど,西洋医学の範疇に属さない代替療法に興味を持つ人は多く、成人の半分以上が一度は何かしらの療法を受けたことがあると言います。

そんな中、全米でもトップクラスの大学病院、デューク大学(Duke University)では、患者の病気を身体と精神、生活なども含め総合的に見直すことを目的とした統合診療部を開設しました。
韓国からの援助を受けた鍼のクリニックは連日多くの患者さんで賑わっているとのことです。

代替医療のことを米国ではCAM(Complementary and Alternative Medicine)と言います。
アメリカ人のCAMに対する関心は大変深く、米国のNIH(National Institute of Health)でCAMの臨床研究および基礎研究を精力的にサポートしていこうという方針が決定され,1998年にNCCAM(National Center for Complementary and Alternative Medicine)という部署が設立されたほどです。設立された当時の予算は5000万ドル(60億円)だったのですが,それが毎年増額され,現在は名称はNCCIH に変わり、2017年の予算は1億3000万ドルです。
さらには全米15の大学においてそれぞれのCAMセンターが創設され、薬物依存や、関節炎、心疾患など専門的な研究が始められました。
これまで神秘的とされてきたCAMのメカニズムが、科学によって証明されつつあるのです。

近い将来、日本でも、かかりつけの病院に行けば、ヨガクラスがある、マインドフルネスのクラスを受けられる、癒しを与えてもらえる場所、セラピストがいる、そんな医療現場が増えていくことを願って止みません。

今後も日本ヨガメディカル協会は、社会におけるその仕組み作りの役割を担っていく所存でございます。

写真提供:後藤恵美さん

ヨガの科学的裏付けに関するSat Bir Karsa 氏、Bruce Lipton氏のインタビュー

2018年03月30日 | 関連記事

IAYT(国際ヨガセラピスト協会)でヨガリサーチのチーフを務めるハーバードメディカルスクールのカルサ氏のインタビューに加え、エピジェネティクスの第一人者であるブルース・リプトン氏もコメントをされています。

ヨガに取り組むことで得られるものは、物理的な身体のストレッチのみならず、ストレス対処能力、心理的自己効力感、自己統制能力、であること、そして一人一人が健康にでありたいと行動を起こすことは、人類の未来を思いやりと慈悲に満ちたものに変えていくこと、そしてそれが教育にも組み込まれたとき、それは私たち人類の文化として定着するであろう、というメッセージです。

ヨガセラピーを知る上で、ぜひ一度ご覧いただきたい動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=vh-M14YmWn0

日本語字幕は、設定(歯車のマーク)から、字幕を選択し、自動生成(英語)を選択したのち、自動翻訳で「日本語」を選択します。

NCCIH(アメリカ国立補完統合衛生センター)によるヨガ紹介ビデオ

2018年03月30日 | 関連記事

Scientific Results of Yoga for Health and Well-Being—Full Video

https://www.youtube.com/watch?v=z16-HV5bnw8&t=6s

You Tube 説明より
The following video is intended to be an educational tool about the science of yoga. The video features information on what changes occur in the body during yoga, the safety of the practice of yoga, and what the research says about whether it can help treat certain health problems. This is the second installment in NCCAM’s The Science of Mind and Body Therapies video series.

日本語字幕は、設定(歯車のマーク)から、字幕を選択し、自動生成(英語)を選択したのち、自動翻訳で「日本語」を選択します。

「ぷち瞑想習慣 」   川野泰周 著

2018年03月30日 | 協会報告

みなさんは「瞑想」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?

宗教的なイメージでしょうか。
難しそうというイメージでしょうか。
大樹の麓で
あぐらをかき背筋を伸ばして
目を瞑って行う
そんなイメージでしょうか。

では、瞑想の目的はご存知ですか?

悟りを開くためでしょうか。
解脱するためでしょうか。

いえ、そんな大それたことが目的ではありません。

どんなに身体を休めても疲れが取れないことがあります。
集中力がなくなり、効率的に動けない。
そんな時は身体が疲れているのではなく、「脳」が疲弊してる
「脳疲労」の状態であると

精神科医であり、禅僧でもある川野泰周先生は仰います。

では何故、脳が疲れてしまうのか。
それは、現代社会の情報過多、時短を求められた結果のマルチタスク化などによって、
身体をいくら休めようとしても、脳は勝手にさまよってしまうことが原因なのです。

その脳疲労を取り除くために
川野先生は「瞑想」をお奨めしています。
そしてその「瞑想」は決して難しいものではなく
私たちが身近に体験していることで簡単にできるのです。

呼吸で瞑想、歩行で瞑想、食事で瞑想、吊革瞑想、色彩瞑想、などなど…
これらは全て「ぷち瞑想」となっています。
わざわざ瞑想のために時間を割かなくとも、日常行なっていることで瞑想は充分にできるのです。
マインドフルネス、セルフコンパッション、それらの概念が、
難しそうな瞑想を、日常に溢れた誰でもできる簡単なぷち瞑想にしてくれるのです。

これまでも沢山のマインドフルネスや禅、瞑想に関する著書を世に送り出されてきた川野泰周先生ですが、
この「ぷち瞑想習慣」は大変読みやすく、実践的で、
医療や瞑想のことを知らない方でも読んでその通りに行うことで、
心身の不調の改善や、仕事の効率アップが期待される一冊となっています。
特に、第3章の「いざというときに役立つリセット術」では、
誰もが身をもって経験した事があるような、なるほどな術が科学的根拠と共に紹介されています。

川野先生は、当協会のメディカルサポーターであり、
当協会のヨガセラピスト認定資格のベーシックプログラム、マインドフルネス講座を
ご担当くださっています。
そしてこの春より講座スタートとなりました
心身の不調を抱えた方のための
マインドフルネスとセルフコンパッションに特化したヨガプログラム
「MCYT(マインドフルネスコンパッションベースドヨガセラピー)プログラム」もご監修いただきました。

ヨガをしているのに、その効果をいまいち実感できないという方がいたら、
その方はひょっとしたら脳がさまよった状態でヨガをされているのかもしれません。

ヨガは動く瞑想です。
ヨガセラピストが何より大切にしなくてはならない概念がこの一冊には盛り込まれています。
是非ご一読とは言わず、
いつも手元に置いて読み返すことをお薦めしたくなる一冊です。


※画像クリックでAmazonでのご購入が可能です。

多発性硬化症の方へのメディカルヨガアプローチ

2018年02月26日 | 協会報告

【メディカルヨガ・ヨガの処方箋実践講座】

多発性硬化症の方にとって、原因が不明であること、ストレスが原因と考えられると言われること、そして治療法が限られていることは、メディカルヨガが書かれた米国も日本も同じであることを学びました。

体の動きが制約され、生活から自由が奪われ、不安とやりきれなさが募る中にヨガができること。

一つは、睡眠の改善と、深いリラクセーションです。
床に一旦座ったり寝たりすると、起きてくるのが大変です。
そこで、テーブルの上にヨガマットを引き、腰掛けから始まるポーズを取れるようにします。

ヨガセラピーで大切なことは、生徒さん(症状を抱えた方)にとって、何が辛いことなのか、何が不便なことなのか、何が難しいことなのか、を「教えてもらうこと」です。お互いに「言わずに察せよ」ということは現実的ではありません。
伝えること、伝えてもらうこと、を大切にできる力、が必要であるため、協会の認定講座でも「コミュニケーション・スキル」を履修科目の一つとしています。

多発性硬化症のアプローチを紹介くださっているのは、アイアンガーヨガのエリック・スモール先生ですが、やはり目の前の患者さんに現実的にできることとして、リストラティブヨガのアプローチを知っておいて欲しいと感じます。

がんや心臓病以上に、動ける-動けないに多様性のある疾病です。
動く提案と、休む提案をできること。
禁忌として、神経疾患全般にいえることですが、体温を上げすぎないこと(ホットヨガは負担が大きい)、一気に筋肉に力を入れるポーズは避ける、などがあります。

ストレスの緩和には、息を長く吐くこと、という実践もありますが
多発性硬化症(MS)の患者さんにとっての、ヨガのディープ・リラクセーションの側面を知っていただく機会をいただけたら、と思います。

講師:岡部 朋子

講師岡部の事例報告:
数年前、多発性硬化症の9歳の女の子と、お母様からヨガセラピーのプライベートレッスンのご依頼をいただいたことがありました。寝転んでソファに足を上げるポーズなど、親子でくつろげるリストラティブのポーズをご紹介しました。
しっかりリラックスできると「私はまだまだこれからいろんなことに挑戦したいから、休むと元気が湧いてくる」と言っていただけました。お母様が「娘と下の弟と、三人でできることが、家族団欒のかけがえのない時間になりました、病気と向き合うと、不本意にも色々ギスギスすることも少なくない中、ちょっと簡単にできること(仰向けでソファに足を乗せて手を繋ぐ)で緩めたり、おしゃべりする時間を作れることはありがたいとおっしゃってくださったのが嬉しかったです。

メディカルヨガ・ヨガの処方箋実践講座は4月より、御茶ノ水神田明神の門の前にあるスタジオ・リチュ様にて、月に2回ほどのペースで症例別に定期開催を続けてまいります。

テキストである「メディカルヨガ」のアプローチを中心に学びますが、参加者同士のディスカッションで、より実際の患者さんに提案できるのはどんなことなのか、ということを共有していきたいと思います。
ヨガセラピーにご興味のある方、ご家族や患者さんをサポートしたい方のご参加をお待ちいたしております。