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協会が担っていくこと

2018年10月10日 | コラム

以前、マンツーマンで一人の生徒さんとヨガセッションを行った時のこと。
その生徒さんがこのようなことを仰いました。

「ヨガって社交的な人しかできないと思ってたんです。」

お話を聞くと、街で見かけるスポーツクラブやヨガスタジオの広告、
SNSで目にするヨガイベントの写真、これらの印象がとてもお洒落だったり美しかったり、みんなで和気藹々としていたりと、とても病気療養中の人や、一人で静かに自分を向き合いたい人には敷居の高いものと感じていらしたそうです。

実際に、世間のヨガの主流は、お洒落なもの、経済的、時間的にも余裕のある人が習うもの、スタイルの良い女性が行うもの、そしてクラスに参加したら全員で笑顔のポーズ写真を撮るもの、そんなヨガクラスが大半なのかもしれません。
生徒さんの何気ない一言で、いつの間にか、現代のヨガの意図するところが偏ったものになってきているということを思い知らされました。

ヨガの本来の目的は「心の動きを止めること」とヨーガ・スートラでは定義されています。
いつの間にか世間のヨガは、本来の目的よりも世間に求められるイメージが先行するものになっていたのです。

ひと昔前は、ヨガは宗教的で閉鎖的で世間からはあまり良い印象を持たれていませんでした。
ですがここ数年、健康美のイメージがついてからは女性を中心にどんどんと世の中に広まりました。
このような流れを見ると、好印象を持たれるようになった今のほうが、ヨガをする人間にとっては喜ばしいことなのですが、本当にヨガを必要としている方へ、ヨガが届きにくくなっているという事実も知ったのです。

本当にヨガを必要としている人。
それは健康で自ら進んでスタジオに来られる方ではなく、身体や心に何かしらの不調を抱えていて、元気を失っている方。リラックスや優しい時間が必要な方々。様々な理由から、人と会うことも気後れしてしまう、息を詰めて過ごすような日々を強いられている方。そのような方々にこそ、ヨガで深呼吸し、不安で休まることのない心の動きを一瞬でも止めて、自分で自分に優しくする時間を持っていただきたいのです。すると、いつもより良く眠れるかもしれない。疲れが取れるかもしれない。治療が少し楽に感じられるかもしれない。今まで心の傷でしかなかった経験が宝物に変わるかもしれない。そんな方法があるということをお伝えしていきたいのです。

ヨガはもはや、「ブーム」ではなく「文化」になろうとしています。
文化になり、恐らく多様化していくことでしょう。
その時、協会が担っていくべきことは
元気でない方が、安心して一人で自分と向き合える場所を作ること。気乗りしないときも、傍にそんなヨガクラスがあるという環境を作ること。
息さえしていればヨガはできるんだということを世の中に伝え、広め、身近なもので、気軽に取り組める、そんなヨガのジャンルを作ること。

それが、協会の目指す道です。                  《 石井及子 》

協会理念にご賛同くださった方
今後、協会の講座に参加予定の方、ヨガセラピスト認定資格取得をお考えの方は
一般会員申し込み、よろしくお願いいたします。
学生会員もございます。
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