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第2回メディカルヨガカンファレンス「がん患者さんのためのヨガ」開催報告

2017年11月7日 | 協会報告

去る10月29日(日)、がん研有明病院 吉田富三記念講堂にて、第2回メディカルヨガカンファレンス「がん患者さんのためのヨガ~がんサバイバーシップのためにヨガができることを考える~」を開催いたしました。

雨足が強まる中、台風到来にもかかわらず午前午後を合わせまして109名の方にお越しいただきました。
足元の悪い中お集まりくださいました皆さま、誠にありがとうございました。

午前は講堂にて講演とパネルディスカッションを行いました。

乳がんサバイバーであり、現在はその経験を活かし乳がん体験者向けのヨガクラス「NYOGA」を受け持つヨガインストラクターの小山紀枝 先生、現代医学と心身医学、東洋医学の統合と実践を目指す心療内科医、国際医療福祉大学医学部心療内科医主任教授の岡孝和 先生、乳腺専門医である埼玉医科大学総合医療センターブレストケア科教授の矢形寛 先生、それぞれお立場の違う3名の先生方にお越しいただき、それぞれの立場から、医療とヨガについてのお話を頂戴しました。会場に集まった医療従事者の方、がん患者さん、ヨガインストラクター、セラピストと様々な方がそれぞれの立場で熱心に耳を傾けてくださいました。

また、パネルディスカッションでは、ご講演いただいた3名の先生方に加え、看護師でありヨガセラピスとしても活動されている松原昌代さん、当協会代表理事である岡部朋子も参加し、「医療者とヨガセラピストが協働できるフレームワーク作りを目指して」というテーマで話合い、様々な意見を交え、将来の課題が具体的に見えてくる大変有意義な話合いとなりました。

そして午後は、4つの部屋を使い4種の事例発表、4種の体験レッスン×2を同時進行し、全国から集まったヨガセラピストによる活きた事例の発表、そして様々な種類の体験ヨガレッスンを催しました。
事例発表では、病院でのヨガに関するもの、乳がんに特化したもの、看護師向け、ヨガセラピスト向けと、より細分化された発表を。そして体験レッスンでは、がんクラス向上委員会のレッスン、ヨガニードラ(眠るヨガ)のレッスン、乳がん患者さんのためのチェアヨガレッスン、呼吸に特化したディープブレスヨガレッスンと多種多様ながん患者さんのためのヨガを行いました。

特に体験レッスンでは部屋に入りきれないほどの方にお集まりいただき、隙間なくマットを敷いて対応したクラスもありました。
レッスンを受けられる患者さんとそのご家族の和やかな様子が、とても印象的な温かいヨガのひとときとなりました。
このような光景が近い将来、皆さまが通われている病院でも見られるような社会になることを願いつつ、第2回カンファレンスは幕を閉じました。

今回のカンファレンスでは、お二方の医師からいただいた学びにより、今後協会が取り組むべき課題も明確になりました。
当協会「がんとヨガ分科会」では、がん患者用ヨガ標準プログラムの作成、そのプログラムの安全性と有用性の評価、最終的ながん患者さんに対するヨガ利用ガイド作成し、医療従事者へのフィードバックを、3年計画で目指していく所存でございます。3年後には、またこのようなカンファレンスを企画、開催し、皆さまにお集まりいただけますよう、尽力してまいりますので、今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

ご登壇いただきました岡孝和 先生より、カンファレンス終了にあたり当協会へのコメントを頂戴しましたのでご紹介させていただきます。

「このカンファレンスをきっかけに、我が国における『がん患者さんに対するヨガ』はどうあるべきか、より議論され、医療従事者の納得のゆく形になり、医療と手を携えながら、がん患者さんのためのヨガを普及してゆくことを願っております。」

最後に、このカンファレンス開催にあたり、ご登壇いただきました諸先生方、運営にご協力くださいましたカンファレンススタッフチームの皆さま、当日、または前日からご都合をつけて遠くからご来場くださいました皆さま、本カンファレンスを無事に終えることができましたのも、ひとえに皆様の温かいご支援のお蔭と、心より御礼申し上げます。特に、場所を提供してくださり開催まで温かく見守ってくださいました、がん研有明病院 乳腺センター長の大野真司 先生には深く深く感謝申し上げます。

文責:石井及子