~開催報告~「臨床研究の基礎」勉強会(支持/緩和治療領域研究の方法論)
国立がん研究センター 東病院 放射線治療科全田貞幹先生をお招きして「臨床研究の基礎」(支持/緩和治療領域研究の方法論)についての勉強会を開催しました。
「ヨガは科学になり得ない」これは、ヨガセラピーの世界的な教科書である、Yoga as Medicine の著者である米国の内科医であるティモシーマッコール先生がカンファレンスで述べられていたことです。それはなぜか。科学というものが、仮説を検証するものである以上、多様性に富んだヨガが、人々の多様な要求に複合的に応えながら健康効果を出している時点で、仮説そのものを立てることが非常に困難だからだ、というものでした。
しかし、今回の勉強会で私たちに一筋の光が見えました。ヨガは科学になり得ないが、ヨガの効果を科学的に証明することは不可能ではない。しかしそれは非常にリスクの高い取り組みである、ということを理解することができたという点で非常に有意義な学びとなりました。
まず、ヨガを医療の一部として用いるためには誰を説得する必要があるのか、について明快な答えをいただくことができました。そして、サイエンスというものが、相手を説得するための手段である、ということについても参加者一同理解することができたのは全田先生のわかりやすい説明のおかげに他なりません。
また、実施するヨガセラピーが支持療法なのか、緩和ケアなのか、という線引きを明確にすることは、医療の現場で活用されていくためには非常に大切なことです。また、研究に取り組むということは、その結果をリアルワールドで役立てることができるか、という目的につなげていく責任を負うことでもあります。
協会組織の中の臨床研究チームは、協会の活動の三本の柱、育成、普及、研究の一つとして今後も活動を進めてまいります。
このような貴重な学びの場につなげてくださりました、J-Support (https://www.j-support.org) の皆様、全田先生にこの場をお借りして御礼申し上げます。
文責:岡部 朋子