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SYTAR 2018【ヨガセラピーシンポジウム現地レポート】⑬

2018年06月19日 | 協会報告

多発性硬化症の患者さんの症状は一人として同じ人はいません。
同じでないからこそ、ヨガセラピストが対応できる領域が幅広い、これは他の疾病にも言えることです。

主要な神経が何らかの原因で損傷を受けているために起こる疾病です。
患者さんの多くが、疲れを訴え、神経と体の各部位のコミュニケーションがうまくいかないために、歩行困難やバランス感覚の低下をもたらします。また、空間認識や、温度(暑い、寒い)に敏感になります。

多発性硬化症の方向けのクラスは、体の重みを感じることから始めます。
動かす(Do)ことが大切ではありません。いる(Be)ことが大切だから、
重い、その自然な重みを感じることをクラスのテーマに持ってきます。
「足をあげましょう」ではなく「ずっしりと重力に引っ張られるその自然な重みを呼吸と共に感じましょう」という声がけとなります。

疲れたら、後はずっと仰向けになって休んでいても良いのです。
ポーズをとることができなくても「ここにいることを感じることはできる」
まさにそれがヨガセラピーの原点です。特別な技術ではありません。
日本では温故知新と言いますが、こちらでは Back to the Future と表現していました。

動かしにくい手足をストラップでサポートする方法や、椅子やブロックを使って支えながらそれぞれの状態で楽しめる姿勢を探ります。