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医療におけるサポートと自立支援

2019年01月18日 | コラム

医療現場において、患者さんへのケアやサポートは、どこまでするべきなのでしょう。特にがん患者さんへのサポートは、近年どんどん手厚くなってきているようです。では、そのサポートとは果たして本当の意味で患者さんへのサポートになっているのでしょうか。患者さんを一方的に支えるだけでは本当のサポートにはならないのではと、懸念を示す医師もいます。

例えば、人の手を借りて楽になる。癒しを得る。これは、一見サポートのようではありますが、人に頼まないとできないことです。
これを、仮に自分で自分を楽にできる手段を伝える。癒しを得られる方法を覚えてもらう。に切り替えた場合はどうでしょう。

その患者さんは、ひとりの時でも楽になれたり、癒しを得ることができるのです。誰に頼るわけでもなく、自らそれらができるようになるのです。自分自身でそのような状態を作りだせたとき、人は自信と希望を再び胸に抱くことができるのではないでしょうか。病気になってしまった自分を、もう一度好きになることができるのではないでしょうか。
自分でできることは自分でする。それが人としての尊厳を保つために必要不可欠なことであり、患者さんへの自立支援こそが真のサポートに繋がるのではと思います。


とはいえ、現実では闘病、治療の過程で身体の自由は少なからず奪われます。出来ることも限られてしまいます。そんな時、人は自暴自棄になり自分の足で立とうとすることを諦めてしまうこともあるでしょう。人に頼ることしか考えが及ばなくなる時もあるかと思います。

そんな時こそ、医療スタッフの方々の寄り添いと励ましで患者さんの自立支援をサポートする時なのだと思うのです。

何にでもヨガを結びつけるようですがヨガは、呼吸さえしていればできます。マット一枚のスペースでも、椅子に座ってでも、病棟のベッドの上でもできます。ただ、手のひらを開いたり閉じたりすることを、ゆっくり丁寧に呼吸に合わせて行うだけでも頭の中がスッキリします。余計な緊張が取れます。

慣れ親しんだ病院スタッフの方々から、その方法を教わることができたとしたら、患者さんにとって、どんなに安心でしょう。

ヨガセラピーの効果は、実際に体験していただいた方にしか伝わらないかもしれません。しかし実際に私たちの目の前では幾人もの方々が、いたって単純簡単なことで全身の変化を感じてくださいました。楽になっていただけました。難しいポーズを取ることがヨガなのではありません。本来のヨガとは、呼吸と、ゆっくり丁寧な動きに意識を集中するだけなのです。そしてそれは覚えてしまえば、いつでもどこでも自分一人でできるのです。患者さんのQOLの向上に繋がるのです。

ヨガの効果に科学的根拠を求められますと、残念ながら、まだまだ解明しきれていないことだらけであることは事実です。
エビデンスの少ないヨガではありますが、少しづつ医療者へのヨガ提供の場を設け、実際に体験していただくことで、効果を実感していただき、信用と理解を得て、患者さんへの自立支援、サポートとして寄り添うヨガを医療現場に普及させていくことが、当協会の社会的役割だと思っております。

〈 石井及子〉

心身の不調を抱えた方向けのヨガプログラム「マインドフルネスヨガセラピープログラム(MYTプログラム)」の医療者向け研修を下記の通りで行っております。

① MYTプログラム 体験研修 2時間

② MYTプログラム 実践研修 6時間

③ MYTプログラム体験+実践研修 7時間

詳細に関するご質問やお申し込みは、お問い合わせより「MYTプログラム研修の件」というタイトルでご連絡ください。上記の研修時間以外でも、ご相談に応じますのでお気軽にご連絡ください。