開催報告 ~森田療法勉強会~
2019.2.16
東京慈恵会医科大学附属第三病院 院長であり、精神神経科の診療医長であり併設の専門病棟を有する森田療法センター長および森田療法学会の理事長を務められます 中村敬 先生にお越しいただき、森田療法勉強会を開催いたしました。
中村敬先生から森田療法のお話が聞けるということで、スタジオの椅子の数を上回る多くのご予約をいただき、当日は床にお座りいただく形で沢山の方にご参加いただきました。床に座る参加者の方々を気遣われた中村先生は、普段はお立ちになって講談されるのを、「上からお話するのは失礼なので」と着席され、
参加者の方々と目線を合わせてお話してくださいました。
森田療法とは、1919年(大正8年)に精神科医である森田正馬により創始された神経症に対する精神療法のことで、現在ではパニック障害や慢性化したうつ病、がんや心身症などにも応用されています。
その内容は、ヨガやマインドフルネスと大変共通点の多いことから、今回ヨガセラピスト向けに勉強会を開催する運びとなりました。
その共通の言葉は「あるがまま」「今ここ」。
100年前の日本には、既にヨガやマインドフルネスの概念が生まれていたのです。
中村先生は約100分にわたり、医療者ではない参加者にも解りやすく、神経症に対する治療法から、慢性うつ病の場合など、それぞれ症例を交えてお話くださいました。
中村先生のお話で、森田療法という精神療法を踏まえた上で、最後に私、協会の石井及子がパニック障害経験者として、発症から実際にそれを森田療法とヨガで克服するまでの経験談を発表させていただきました。
13年前、重度のパニック障害を患っていた私が、このように森田療法学会理事長の前で、その当時の経験談をお話をさせていただく日が来るとは、夢にも思っていませんでした。大変光栄な場を与えていただけたこと、ご縁に深く感謝いたします。
遠方からお越しいただいた方もいらっしゃいました。
残念なことに当日、諸事情によりお越しいただけなかった方も数名いらっしゃいました。
最後に皆さんで記念に1枚。
今年100周年を迎える「森田療法」「モリタセラピー」。発祥の地や時代はそれぞれでも、ヨガもマインドフルネスも根底に流れるテーマは同じなのかもしれません。
日本には、こんなにも優れた心理療法があるということを、もっと沢山のセラピストに知っていただきたいと思います。 (石井 及子)