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パーキンソン病患者の機能改善-ヨガのランダム化比較試験

2018年12月13日
パーキンソン病患者の機能改善-ヨガのランダム化比較試験

【抜粋】
パーキンソン病患者は、運動機能、歩行、姿勢の安定、バランス保持において著しい制限が認められる。これらの制限は、パーキンソン病患者にとって重大な合併症につながる転倒を高率に引き起こす主な要因でもある。
この研究は、これらの機能障害の改善に対するヨガの効能を調べるため、地域在住のパーキンソン病患者を対象に、運動機能、歩行機能、姿勢の安定、バランス機能における変化を観察することを目的とした。
このランダム化/待機リスト比較試験は、以下の条件を満たすパーキンソン病患者が8週間ヨガを続けた時の変化を検証した。

【参加条件】
転倒への不安がある
英語を話すことができる
minimental sate exam検査のスコアが4/6である
週2回、8週間のヨガプログラムへの参加が可能である

【結果】
ヨガ群(n=15)においては、運動機能、姿勢の安定、歩行機能、すくみ足に改善が見られ、転倒のリスクが有意に低下した。一方、待機リスト対照群(n=12)では、姿勢の安定の改善は顕著であったものの転倒のリスクは減少しなかった。
8週間のヨガの介入は、パーキンソン病患者の転倒リスクを軽減し、姿勢の安定、歩行機能とすくみ足の改善に効果があったといえる。この臨床試験はclinicaltrials.gov.の臨床試験登録番号 Pro00041068に登録されている。

監修:東京慈恵会医科大学 内科学講座 神経内科 助教 葛飾医療センター神経内科 余郷 麻希子先生
翻訳:駒屋有紀(日本ヨガメディカル協会)

(注)以上はアブストラクト(要旨・抄録)の翻訳であり、原著論文の翻訳を経たものではありません。
また全ての研究には、研究の領域とその限界が存在します。