内分泌療法中の乳がん患者における食習慣改善および運動実践が体重減少、体力および倦怠感に及ぼす影響
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Koki Okumatsu, Takehiko Tsujimoto, Akina Seki, Teruo Yamauchi, Hideko Yamauchi, Kiyoji Tanaka
アメリカ臨床腫瘍学会(2017年シカゴ)で発表された筑波大学による臨床研究
背景 : 体重増加、体力低下および倦怠感は内分泌療法中の乳がん患者において頻繁に見られる症状の1つである。先行研究では、食習慣改善および運動実践が体力や倦怠感等の改善に効果的であることが報告されているが,その多くはアジア人以外を対象とした欧米の研究である。アジア人を対象に同様の研究は少なく,乳がんの発症に人種差があることや食習慣,運動習慣等の違いを考慮するとアジア人を対象に研究をおこなう必要がある.そこで、本研究は内分泌療法中の乳がん患者における食習慣改善および運動実践が体重、体力および倦怠感に及ぼす影響を検討することとした。
方法 : 内分泌療法中の乳がん患者32名が本研究に参加し、自由意志に基づいて教室参加群および対照群に割り振られた。対照群には通常通りの生活をしてもらうよう促し、教室群には週1回90分、全12回の食事教室および運動教室を開催した。
結果 : 教室群21名全員が食事および運動教室を完遂した。教室群の体重は教室前と比べ8.7%有意に減少したが、対照群に有意な変化は認められなかった。また、全身持久性体力、柔軟性および倦怠感等の項目において教室群は有意に改善したが、対照群に有意な変化は認められなかった。
結論 : 本研究を通して食習慣改善および運動実践が内分泌療法中の乳がん患者の体重を減少させ、体力および倦怠感を改善させることが示唆された。
(注)以上はアブストラクト(要旨・抄録)の翻訳であり、原著論文の翻訳を経たものではありません。
また全ての研究には、研究の領域とその限界が存在します。