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孤独が内包する豊かさ

2020年05月8日 | 協会外主催 講習等

状況がさまざまに変化する日々が続いておりますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

私はマスクをつけた子どもたちが星野源さんの「うちで踊ろう」を大声で歌う中、家でこの記事 を書いております。

さて、海外の都市が次々にロックダウンされ、日本でも緊急事態宣言が出されて人と人との分断 の影響が不安視される中で、何ができるのか。 そんなことが、先日の認定セラピストオンライントーク会での話題にあがりました。
※そちらの様子はこちらをご覧ください。
~開催報告~第2回認定セラピスト オンライントーク会

米オハイオ州立大学の研究によれば、孤独を感じている人ほど体内のウイルスの活動が活発にな る、つまり孤独感が免疫機能を低下させる可能性があるとのこと。 その他にも、孤独感が心身に影響を与えるという研究はいろいろあがっています。 そしてここで確認しておきたいのは、物理的環境的に実際孤立しているかどうかではなく、本人が 孤独だと「感じている」かどうかが心身に影響しているということです。

普段のヨガセラピーのクラスでは、これもヨガなの?と言われることがあるくらい、運動強度とし ては敷居を下げた内容が多いと思いますが、ここでさらに運動という垣根も低くしてみるのはど うでしょう。

「電話で繋がり、声や息づかいを受け取りあってみる」「文字や絵、写真や動画で繋がり、思い を届けてみる」 孤独感が強くなりそうな状況の方へ、ただそっと寄り添うだけのそんな姿勢は、ヨガセラピスト の方々がすでに持っている姿勢であり、ヨガの語源yujにつながる姿勢でもあると思います。

そしてたとえ物理的環境的に離れていても、つながっているという気配を感じてもらえるように働 きかけることは、自分自身の持つつながりを改めて味わう機会にもなるでしょう。

あなたのことを気にかけていますよ、大切に思っていますよという気持ちを、まずは身近な人やご 縁のある人へ届けていけるといいよね、それもヨガだよね、会議ではそんなことをみなさんと共 有することができました。
※こちらの記事もご参照ください。「心をあたためる・電話でシニアヨガ」



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ちなみに哲学者ハンナ・アーレントは、人間が一人になる状態について 「孤独」「孤立」「孤絶」の3種類があると述べています。

孤独(solitude)=他者との関係を断つことで自分自身と共にある状態。自己と向き合うために 必要な状態

孤立(loneliness)=自己と向き合うことができず向き合える他者を求めるが、何らかの理由でそ の関係性も断たれている状態

孤絶(isolation)=何かしらの作業や物事に気をとられており、他者とも自分自身ともつながっ ていない状態 (※他にもいろいろな解釈があります)

確かに多くの人の中にいても孤立・孤絶していることもあれば、一人きりでいても孤独の中では 自身と共にあり、実は決して一人ぼっちではなかったりします。
そう考えると孤独とヨガの近しさに気づき、その中に豊かさまで感じられてきませんか?

例えば今懸命に働いてくださっている方々や、不安や心細さ・苛立ちで落ち着かない方々の孤絶 や孤立を「孤独」に昇華させていくために、ヨガセラピーのひとかけらがお手伝いできたらいい なと思うのです。

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この記事を書きながら、星野源さんの「うちで踊ろう」の「うち」は、家ではなく内、自分の内 側のことなのかもしれないなあなんて、改めて歌詞を振り返りたくなりましたが、すでに子供た ちは同じく星野源さんの「恋」を歌って踊っており。

” 2人を超えていけ 1人を超えていけ ” と、きっとどちらの曲も「孤独」の中で丁寧に紡ぎ出されたのだろうなあと思いを馳せるのでし た。 (松原 昌代)