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ヨガセラピーにおけるヨガの定義

2017年03月28日

「ヨガとは心の動きを止めること」
文献としての定義としてはこれが「ヨーガスートラ」によるヨガの定義です。

しかし、これではヨガを学んだことがない方にとっては意味がわからないことでしょう。
しかし、私たちヨガを伝えるものは必ず次のような質問を受けます。
「ヨガとストレッチの違いとは?」「太極拳とどう違うの?」**

また、ヨガに関する臨床試験をスタートする際にも、そもそもヨガをどのようなものと定義するか、ということが必ず問われます。

ヨガは、今この瞬間への意識と深く快適な鼻呼吸を伴った操体法や呼吸法、瞑想法などから成る伝統的な健康法です。今この瞬間への意識と深くゆっくりとした呼吸を伴うことで副交感神経を優位にさせ、心と身体が調和し安定した状態を導きます。

アメリカでヨガが補完統合療法の一つとして「ヨガセラピー」という位置付けて受け入れられ始め、ヨガという手法が心身の健康の回復に役に立つらしいということの裏付け(臨床)の研究が急激に始まりました。その根拠がヨガという操体法にあるのか、呼吸法にあるのか、瞑想法にあるのか、未だに様々な解釈が存在します。

答えはそのいずれもと言われますが、それは操体法も、呼吸法も、瞑想法も、ヨガという定義の前では手法に過ぎないということです。

息さえできればヨガはできる、と言われる所以は、背筋を伸ばして座っている、あるいは横たわったまま、呼吸を行うだけまで、簡略化できることにあります。

ヨガとは生き方の姿勢であり、哲学であり、祈りの姿です。
ヨガは宗教の影響を受けていますが、宗教そのものではありません。
神への祈りの姿はなく、自分やありのままと向き合い、自分やありのままの姿への
感謝、受け入れ、という己の内なる神に仕えるという教えです。

ヨガが本格的に日本に入ってきてから、ずっとヨガの普及を見つめ、発信してきた Yogini 編集長である橋村伸也氏は現代日本におけるヨガをこのように説明しています。

「ヨガの定義:結び – ヨガの語源はサンスクリット語で結ぶ、という意味を持つYuj という言葉」
すなわち、分かれているもの、対立しているものが一つになること。
ヨーガスートラでの定義:心の動きを止めること

普段は外に向き、バラバラになっている五感を呼吸に意識を向けることで、
自分の内へと向けていき、心身と脳が静かになっていく。

それはポーズや、ダンス、仲直り、相互理解、なにをやろうとも「分かれているものが、一つになる」というものはすべてがヨガです。」

その過程が、私たちの自己肯定感や生活環境に好影響を与え、ストレスを緩和するプロセスに注目が集まり、セラピーとしてのヨガの活用に注目が集まり、ヨガセラピーという分野が生まれました。
21世紀、非伝染性疾患が増え、薬や手術でケアできない心身の不調を訴える人が増えてきています。そのような症状において対話や環境が人を元気にすることにも関心が集まっています。

インドで興り、アメリカを経由して全世界に普及したヨガ、今この瞬間の心と体の様子に意識を向けた動き、呼吸、瞑想などの手法を用い、心と身体が調和し安定した状態を心がけるという健康法が、ストレス社会における様々な健康問題の解決に役立てられようとしています。

** ストレッチや太極拳との大きな違いは、ストレッチの狙いが体への効果だけなのに対し、ヨガでは呼吸や、自分の今のあり方、体の感覚などにまで意識を向けます。太極拳との違いは、ともにゆっくりした動きに呼吸を伴わせます。太極拳の目的は、気の巡りを良くし、気功と呼ばれる力を発揮することです。そのために逆腹式呼吸を用います。
ヨガの目的は力を発揮することではなく、むしろ深くゆっくりとした呼吸で心を落ち着け、瞑想状態に入りやすくするためである。無理にポーズをとる必要はなく、立っていても、座っていても、横たわっていても、自分がここにいることを感じ、今に意識を向けていれば良いのです。

(文責:岡部朋子)