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ヨガの実践は、乳がん女性の治療に関連する副作用や生活の質を向上させることができるか? 系統的レビューとメタ解析

2017年09月6日

Review article

Pan Y, et al. Asia Pac J Clin Oncol. 2017.

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抜粋

目的:補完代替療法としてのヨガが、乳がん患者の健康や治療に関連する副作用の増強と関連しているかどうかを判断する。この系統的レビューは、ヨガの実践が乳がん罹患女性のために身体的および心理的に測定可能な利益を提供するかどうかを調べた。

方法:2013年6月にPubMed、EMBASEおよびコクランライブラリーを使って無作為化比較試験(RCT)を検索した。Cochrane Handbook 5.2により試験の質を評価し、Stataソフトウェアバージョン10.0を使用してデータを分析した。メタ – 回帰分析およびサブグループ解析も転帰の追加予測因子の同定および不均一性評価のために実施した。

結果:16のRCTに930人が含まれていた。ヨガ群とコントロール群を比較すると、全体的な健康関連生活の質(QOL)、うつ、不安、消化器症状において統計的に有意な差があった。メタ – 回帰分析により、ヨガの練習期間およびコントロール群のタイプにおいて部分的に不均一性が示されたことが明らかになった。サブグループ解析によると、ヨガは3ヶ月以上練習したときにのみ不安に効果が示された。待機リストコントロール群のみが、身体的健康に関するヨガの効果を示した。

結論:現在のエビデンスは、ヨガの実践が乳がんから立ち直る患者のための健康増進、治療関連の副作用を管理するのに有効である可能性を示している。将来の臨床研究において、臨床医は、現在のヨガ実践の効果に関する最良のエビデンスに沿って、患者希望を考慮し意思決定をする必要がある。

© 2015 Wiley Publishing Asia Pty Ltd.

PMID 

25560636 [PubMed – indexed for MEDLINE]

監修:矢形寛医師(埼玉医科大学総合医療センター)翻訳:住谷真理子

(注)以上はアブストラクト(要旨・抄録)の翻訳であり、原著論文の翻訳を経たものではありません。
また全ての研究には、研究の領域とその限界が存在します。