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乳がんサバイバーのためのヨガレッスン(STUDIO Forest 大阪市中央区)

2017年12月5日

乳がんサバイバーのためのヨガレッスン(STUDIO Forest 大阪市中央区)

2013年、スタジオに通っていた一人の生徒さんが乳がんを経験され、ヨガで心身を整えたいという声に応える形で、乳がんサバイバーを対象にした定期的なレッスンが始まりました。一般のヨガクラスとの違いの一つは、乳がんサバイバー特有の体の状態に対する配慮と安全性にあります。また、体をほぐし、呼吸を深めることで、リラックスすることも目的としています。

先日ヨガクラスに参加しているサバイバーの方へアンケートを実施したところ、身体的、精神的、そして社会的な効果があるという回答でした。身体的には、体がほぐれた、腕が上がりやすくなった、体力が戻ってきた、よく眠れるようになった、という声がありました。精神的な効果としては、心と体が解放され病気に対する恐怖心が和らいだ、気持ちが前向きになった、呼吸でリラックスできるようになった、罪悪感なく自分を労われるようになった、などという声がありました。そして社会的効果について口頭で回答を求めたところ、退院後続いた自宅療養ののち、初めて外出しようと思えたきっかけがヨガ教室だった、社会とのつながりを取り戻すきっかけになった、というものがありました。また、術後初めて病気のことを話すことができて楽になった、ウィッグを外している人を見て、自分もはずしてヨガをすることができ気持ちがスッキリした、という声もありました。

ヨガのレッスンが、心身を整えるのみならず、人や社会とのつながりを取り戻すきっかけにもなり得ることが分かる結果となりました。

現在多くの方が、スタジオにレッスンを受けに通っておられます。遠方から電車にのって来られる方も少なくありません。その背景の一つには、乳がんサバイバーに配慮したヨガを楽しめる場の不足です。今後、各地で当たり前のように乳がんサバイバーの方がヨガを楽しめる場を早急に作っていく必要性を感じています。また、退院後のサバイバーをケアする体制を整えていく必要も感じます。何か心身にプラスになることをしたいと考え、インターネットなどで探してようやくヨガにたどり着くという方が少なからずいらっしゃいます。入退院時などに、ヨガなどの情報が紹介されることで、必要な人がすぐにヨガをすることができるような体制つくりも今後必要だと感じています。

最後に、2人のサバイバーの方の言葉を紹介します。

「患者は常に孤独です。でもヨガに出会えて感謝しています。心が真っ暗になりそうなときも、ヨガを通し、明かりを灯してもらっています。そして、ヨガのレッスンを受けて、元気になっていく自分を実感できます」

「私自身が、自分の心や身体を労わって緊張から解放してあげることができる一番身近な人間だと気づかせていただきました」

ヨガは、心身を整えるツール。そしてヨガをする場は社会とのつながりを取り戻す場になる。そう感じています。たくさんの場所で、乳がんサバイバーの方がヨガを楽しめるように尽力したいと思います。また、乳がんサバイバーに限らず、必要とする方がみなヨガを楽しめる社会をつくっていきましょう。

文責:秦絵理子